沖縄県石垣市の市長選挙は、8月17日に投開票が行われ、前市長で無所属の中山義隆氏(58)が5期目の当選を確実にした。自民党と公明党の推薦を受けた中山氏は、無所属で新人の砥板芳行氏(55)を1799票差で破った。石垣市選挙管理委員会が開票結果を発表した。
今回の選挙は、中山氏が市議会での不信任決議を受けて失職したことによる出直し選挙である。このような首長不信任による市長選挙は、沖縄県の日本復帰後で初めてとなる。
主な争点は市政運営の在り方や、国の防衛力強化への姿勢だった。中山氏は「日本一幸せあふれるまち石垣市」をキャッチフレーズに、台湾航路貨客船事業や市内へのゴルフリゾート施設建設などを訴えた。一方で砥板氏は市政刷新や基地機能強化への反対などを掲げていた。投票率は63.00%で、前回と比べて7.54ポイント下回り、過去最低であった。
石垣市は尖閣諸島を行政区域に含み、現職の中山義隆氏はその領土保全について積極的に情報発信してきた。国が進める防衛力の南西諸島シフトに対しても、一貫して理解を示す姿勢をとっており、駐屯地拡大や日米合同訓練等安全保障政策が市長選の主要な争点となった。
また沖縄県内の首長の政治状況として、現時点で玉城デニー知事を支える「オール沖縄」系の市長は11市全てで不在となっており、その構図が続いている。沖縄県の「11市」とは那覇市、宜野湾市、石垣市、浦添市、名護市、糸満市、沖縄市、豊見城市、うるま市、宮古島市、南城市を指す。
中山氏は1967年6月26日生まれ。近畿大学卒業後、2010年の市長選で初当選。2025年6月には公文書改ざん問題で市議会から不信任決議を受けて失職していた。今回の再選で、中山氏は引き続き市政を担うことになる。
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