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中共への技術移転を懸念 中国資本の「ネクスペリア」資産を凍結

2025/10/15
更新: 2025/10/15

オランダ政府は最近、中国資本に買収された半導体メーカー「ネクスペリア」の資産および事業を緊急凍結し、中国側の経営幹部を解任した。今回の措置は、オランダの知的財産や、ヨーロッパの自動車産業に不可欠な半導体供給の安全を守ることを目的としている。米中間で技術覇権をめぐる競争が激化する中、専門家の間では「ヨーロッパが中国共産党(中共)に対抗する姿勢を明確に打ち出した動き」との見方が広がっている。

関係筋によると、オランダ経済省は、半導体メーカー「ネクスペリア」および世界30か所に展開する関連企業の資産、知的財産、業務を1年間にわたり全面的に凍結するとともに、中国側の取締役の張学政を職務から解任した。オランダが戦時または国家緊急時に適用する「商品の利用可能性法」を半導体企業に対して発動するのは初めてとなる。

オランダのメディアは関係者の話として、ネクスペリアが半導体の技術を中国へ移転する計画の兆候が確認され、これが国家安全保障および経済安全保障上の深刻な懸念を招いたと報じている。

ネクスペリアはもともと、オランダの半導体大手NXPセミコンダクターズの一部門として設立された企業である。同社が手がける標準半導体は、あらゆる電子機器の基盤をなす重要部品であり、ヨーロッパの自動車産業にとっても極めて重要な存在とされている。

同社は2017年に独立して事業運営を開始し、2019年には中国の国有持株企業である聞泰科技(ウィングテック・テクノロジー)に買収され、完全子会社となった。聞泰科技の創業者であり会長を務める張学政は、ネクスペリアの主要取締役の一人でもある。

その後、ネクスペリアはオランダの半導体メーカーであるノヴィセミコンダクターを買収した。この取引について、オランダ政府は2023年5月から国家安全保障上の観点から調査を進めている。

また、聞泰科技は昨年12月に米商務省の禁輸リストに掲載され、今年10月1日にはその子会社も新たに禁止リストに加えられている。