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議員定数削減に「小選挙区削減は困難」 =自民党幹事長

2025/10/21
更新: 2025/10/21

自民党の鈴木俊一幹事長は21日、衆院議員定数の削減をめぐる議論に関し「地方の声を軽視すべきではない。小選挙区の削減はなかなか難しい」と述べ、全国一律での削減には慎重な姿勢を示した。自民党と日本維新の会は連立政権合意の一環として「議員定数の1割削減」を掲げているが、鈴木氏の発言は地方代議制の弱体化を懸念する党内保守派の立場を反映したものとみられる。

地方からは疑問の声があがっている。湯崎英彦広島県知事は「政治に対する信頼を改善するという事なく、定数だけ削減しても何の変化も意味もない」と述べ、地方など様々な国民の声が国政に届かなくなる可能性があるとして、慎重な議論を求めた。

国際比較で見ると日本の国会議員数は決して多くはない。2025年4月の衆議院調査局報告によると、主要7か国(G7)のうち日本の国会議員一人当たりの人口は約17万5千人で、イギリス(4万6千人)、フランス(7万人)、ドイツ(11万9千人)を大きく上回り、G7の中では最も代表数が少ない国となっている。

また、世界全体の比較でも日本の議員総数は約700人で、順位としては第7位程度にとどまる。人口100万人あたりの議員数で見ると、日本は約5.7人で、フィンランド(約36人)、スウェーデン(約33人)、フランス(約14人)、ドイツ(約9.7人)を大きく下回り、先進国ではむしろ少ない側に位置している。

日本の国会議員の歳費(年収)は世界的には比較的高い水準にある。歳費、期末手当、文書交通費などを含めた年間報酬は約2500万〜3千万円とされ、OECD諸国の平均を大きく上回る。

ただし、議員一人当たりが代表する国民の数が多いことを踏まえると「少数の代表に過重な職務と期待が集中している」との指摘もある。

定数削減は財政負担の削減や行政効率の観点で支持を得やすいものの、国際比較では日本の議会がすでに最小規模に近いことから、識者からは「単純な数の削減ではなく、代表制の質をどう確保するかを議論すべきだ」との声も高まっている。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます