自民党の高市早苗総裁の就任を記念する「国民の集い」が20日、東京・永田町で開かれた。会場には保守系の国会議員や有識者、著名人らが集まり、祝意と期待の言葉を寄せた。
新しい歴史教科書をつくる会や史実を世界に発信する会の関係者をはじめ、自民党の西村康稔元経済産業相、原田義昭元環境相ら多くの保守系議員が来場。佐藤正久氏や杉田水脈氏、ジャーナリストの櫻井よしこ氏らは祝電を寄せた。
集会は国歌斉唱で幕を開け、登壇者たちは高市氏の総裁就任を称えるとともに、今後の政権運営への期待を語った。連立を離脱した公明党に対しては、厳しい見解も相次いだ。
高市氏本人は出席しなかったが、寄せられたメッセージの中で「国民の命と財産、領土・領空、国家の主権と名誉を守り抜き、日本列島を強く豊かにするために全力を尽くす」と決意を示した。さらに、「日本の諸問題の解決に向け、戦略的かつ責任ある積極財政のもと、スピード感をもって政策を展開していく」と結んだ。
多数の保守系議員や有識者らが高市総裁就任を祝う
登壇した日本維新の会の石平参院議員(7月の参院選で初当選)は、「高市氏の勝利に、習近平の悔しそうな顔が浮かんでくる」と冗談を交えつつ、「日本はますます繁栄するだろう」と述べた。「野党から出るつもりだったが、気づけば明日から与党になっていた」と笑いを誘う一幕もあった。

日本会議の谷口智彦会長は高市氏を「時代の子」と評し、「自民党はかろうじて保守に踏みとどまった」と指摘。党の軌道修正を行う高市氏の役割を強調した。

作家でジャーナリストの門田隆将氏は、総裁選で多くの報道機関が小泉進次郎氏の勝利を予想する中、高市氏が逆転したことを「インターネットの勝利だ」とし、「捏造報道があっても私たちは屈しなかった」と胸を張った。
続けて、「日本人として、先人が守ってきたものを思い続けてきた高市さんが政権を担うことに、深い感慨を覚える」と語った。

北村晴男参院議員は「私は自民党員でも維新でもないので話しづらいが」と前置きし、「日本が保守政治家のリーダーシップで導かれる国になってほしい」と期待を寄せた。

自民党の長尾敬元衆院議員は、連立協議を控える高市氏に「大阪のことは気にせず、首相指名選で選ばれることだけを考えてほしい」と助言したという。
「時には期待と異なる判断を下すこともあるだろう」としつつも、「安倍元総理以来、信頼に足る政治家だと確信している」と語気を強めた。

ジャーナリストの西村幸祐氏は、「高市氏の総裁就任で、日本は首の皮一枚で生き残ったと思った」と表現。
選択的夫婦別姓などの政策論に触れ、「もし高市さん以外が総裁になっていたら、立憲や国民民主と同じ方向に流れていた」と分析した。

京都大大学院の藤井聡教授は、安倍晋三元首相の凶弾事件に言及し、「奈良でリベンジを果たすという思いを、高市氏と私は潜在意識の中で共有していた」と語り、「高市政権の誕生で日本の復活は揺るがない。GDP一位を目指す」と力を込めた。

第29代航空幕僚長の田母神俊雄氏は、「20年前にお会いしたときから、国家観と歴史観の確立した素晴らしい政治家だと感じていた」と振り返り、「信念を貫き、戦い続けてほしい」と激励。
「靖国参拝をぜひ総理の在任中に実現してほしい」と訴えて、会場の拍手を浴びた。

21日、衆議院本会議で首班指名選挙が行われ、第104代内閣総理大臣に自民党総裁の高市早苗氏が選出された。日本の憲政史上初の女性首相の誕生となる。
石破内閣は21日の閣議で総辞職。昨年10月1日の就任以来、石破首相の在任日数は386日。戦後36人の首相のうち森喜朗氏に続く24位となった。
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