参政党が消費税廃止を提言 安藤裕議員「中小企業と賃上げの最大の障害」

2025/12/27
更新: 2025/12/27

参政党は12月25日、臨時の記者会見を開き、日本経済の再生に向けた政策提言を発表した。会見では、安藤裕参院議員が登壇し、消費税の廃止を柱とする経済政策を打ち出した。

安藤議員は、消費税について「消費者が負担し、事業者は預かっているだけという政府の説明は実態と異なる」と指摘した。そのうえで、価格転嫁が困難な中小企業では、赤字であっても自らの利益を削って納税しているケースが多く、「これが賃上げを妨げる最大の要因になっている」と述べた。

また、消費税の存在が中小企業の経営体力を奪い、結果として国内需要の停滞につながっているとし、「中小企業を救済し、賃上げを実現する第一歩として、消費税の廃止が必要だ」と訴えた。

財政運営について安藤議員は、政府が掲げてきたプライマリーバランス(PB)黒字化目標を完全に否定した。代わりに「ネットの資金需要」という考え方を示し、「民間が投資を控えている状況では、政府が負債を拡大して需要を支えるべきだ」と述べ、経済状況に応じた柔軟な財政運営を求めた。

この政策により、参政党としては名目GDP成長率4〜5%、実質3%の達成を目指すとしている。

一方、消費税を巡っては、高市総理が国会答弁で慎重な姿勢を示している。高市総理は、消費税の廃止や減税について「選択肢として排除しているものではない」としながらも、事業者のレジシステム改修などに一定の期間が必要になるとして、実務上の課題を強調している。

高市総理はかつて「国の品格として食料品の税率は0%にすべきだ」と述べていたが、現在は「自民党税制調査会で賛同が得られなかった」と説明し、政府答弁の枠内にとどまる姿勢を示している。また、PB黒字化目標については、単年度での達成を事実上取り下げ、数年単位での管理を行う方針を示している。

参政党の安藤議員は、消費税の即時廃止によって民間の余力を回復させ、経済全体の再始動を図るべきだと主張する。政府による積極的な財政出動の必要性では共通点があるものの、消費税への対応や財政規律の考え方を巡って、参政党と高市政権の立場の違いが改めて浮き彫りとなった。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます