イラン国営テレビがハッキングされ 米空母は中東へ 

2026/01/20
更新: 2026/01/20

1月19日、イランで続く最新の抗議デモは23日目を迎えた。街頭は比較的静かであるものの、水面下では激動の兆しがある。ハッカー集団が国営テレビの放送に割り込み、亡命中の王太子の演説を流したほか、米軍によるイラン攻撃用の航空戦力が中東に集結し始めたとの報告も入っている。

18日夜、衛星放送を通じて送出されているイラン国営放送の複数のチャンネルで、反政府メッセージが数分間にわたって突如挿入された。

テレビ画面上のペルシャ語の字幕には、「トランプ米大統領は、イラン国民によるイスラム政権との闘争を支持すると繰り返し約束しており、欧州も我々と共にある。政権はあらゆる手段を使って国民の皆さんを無知な状態に留めようとするだろうが、これだけは知っておいてほしい。アメリカは共にある」と映し出された。

続いて、パフラヴィー王太子の最近の演説が数本放映された。その中で王太子はイラン国民に対し、アメリカの「援助は間もなく到来する」と語りかけた。また、イラン軍兵士に向けては、「同胞の命を守る義務がある。一刻も早く国民側に立つべきだ」と呼びかけた。

これは、イランの国家メディアに対する信号割り込み事件としては、近年で最大規模のものである。

一方、米軍が中東へ集結している可能性を示す情報もある。

AP通信が19日に分析した船舶追跡データによると、空母「エイブラハム・リンカーン」が18日夜にシンガポールを通過してマラッカ海峡に入った。中東地域へ向かっているとみられ、到着まであと4日ほどかかる見通しだ。

また、米軍のF-15Eストライク・イーグル戦闘機も中東へ配備されつつあるようだ。2つのオープンソース・インテリジェンス(OSINT)アカウントによると、F-15Eが英国の米軍基地から中東へ移動しており、目的地はヨルダンのムワファク・サルティ空軍基地とみられる。19日までに計24機に達する可能性がある。

先週、トランプ大統領はイランに対する軍事行動を直前で中止した模様だが、イランに対して2つのレッドライン(譲れない一線)を引いている。それは「平和的な抗議デモ参加者を殺害しないこと」と「デモ終了後に参加者を大量処刑しないこと」である。

19日、匿名を条件に取材に応じたイラン政府当局者はロイターに対し、確認された死者数は5千人を超え、その中には治安部隊員500人が含まれていると明らかにした。

しかし、人権団体が公表している数字はこれを大きく上回る。米国に拠点を置く「人権活動家通信社(HRANA)」は18日、確認済みの死者数は3900人を超え、他に約9千件の死亡事例を調査中であると発表した。また、2100人以上が重傷を負っており、その相当数が散弾を顔や胸に受けたことによる失明、内出血、臓器損傷であるという。

イラン議会の幹部は19日、国の最高安全保障機関が数日中にインターネットの復旧を決定すると宣言した。その際、さらに多くの死亡事例が明るみに出る可能性がある。