親中メディアによる批判を受け、香港の民主派活動家・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏を追ったドキュメンタリーへの関心が高まっている。作品はNetflix香港の視聴ランキングで1位となり、批判がかえって注目を集める結果となった。
ドキュメンタリー映画『黄之鋒:熱血青年 vs. 超級強権』は、配信開始後、香港で大きな注目を集めてこなかった。しかし、中国共産党系メディアが作品を名指しで批判した後、視聴が増え、Netflix香港の映画ランキングで3日後に1位となった。
作品は78分で、アメリカ人の監督が手がけた。香港の学生運動を主導した黄之鋒氏が、学生団体「学民思潮」を率いて、「国民教育」に反対した活動や、その後、香港の雨傘運動に参加した経緯を記録している。羅冠聡氏や周庭氏も出演している。
親中メディア批判 親中派議員が配信停止の要求
今年の9月14日、中国共産党の統制下にある香港紙『文匯報』は、この作品について、「黄之鋒の犯罪行為を美化している」と批判した。そのうえで、Netflixが国家安全保障の一線を越えようとしていると非難した。
香港立法会の鄧家彪議員はその後、香港政府に対し、Netflixに作品の配信停止を求めるよう要求した。また、裁判所に配信差し止め命令を申し立てることや、香港の通信事業者と連携して作品へのアクセスを遮断することも求めた。
別の立法会議員、郭芙蓉は、作品が配信されていることについて、特定の意図を持つ勢力がメディアや文化、映像作品などを通じて「ソフト対抗」を展開していることを示していると主張した。
同日、香港政府の保安局は報道機関の取材に対し、「関連する措置を講じている」と明らかにした。
批判が視聴を後押しした「逆効果」の構図
2017年にNetflixで配信されたこの作品は、それまで香港で大きな注目を集めていなかった。しかし、当局や親中派メディアが一斉に批判したことで、市民の間では、批判への反発や好奇心から視聴する動きが広がった。
ストリーミングランキングサイト「FlixPatrol」によると、作品は9月16日、Netflix香港の映画ランキングで3位となり、翌17日には1位に浮上した。
Netflixは、配信停止を求める声に対して、これまでのところ正式な見解を示していない。Netflix香港のサイトには現在も作品の紹介ページがあり、約2分間の予告編も視聴できる。
現在29歳の黄之鋒氏は、民主派団体「香港衆志」の元秘書長である。民主派の予備選に関与したとして、「国家政権転覆を企てた罪」で懲役4年8か月の判決を受け、2027年1月に釈放される予定だった。
しかし、2025年6月、服役中に「外国または境外勢力との共謀」罪で追起訴された。現在は判決の言い渡しを待っている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。