香港の民主活動家で服役中の黄之鋒氏に対し、香港高等法院は11月5日、さらに懲役10年の判決を言い渡した。釈放は2036年11月にずれ込む見通しで、各方面から非難が相次いでいる。
黄氏は香港国家安全維持法(国安法)に基づき、「外国勢力との結託」の罪に問われていた。国安法の指定裁判官である譚耀豪判事は、今回の犯行を「重大な犯罪」に当たると判断した。懲役13年を基準に、黄氏が罪を認めたことなどを考慮し、最終的に懲役10年を言い渡した。
10月に30歳を迎えた黄氏は、すでに6年以上にわたり身柄を拘束されている。当初は2027年1月に刑期を終えて釈放される見込みだったが、今回の判決により、釈放は2036年11月にずれ込む見通しだ。
香港で「外国勢力との結託」の罪で起訴された事件としては、香港紙「アップル・デイリー」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏に続く2例目となる。78歳の黎氏は2026年2月、懲役20年の判決を受けた。
黄氏への判決を受け、各界から中国共産党(中共)当局への厳しい批判が相次いだ。ある評論家は「かつて自由の港だった香港は、中共の独裁者・習近平の国家安全保障機構によって、反体制派を閉じ込める牢獄と化した」と批判した。
1989年の天安門事件で学生運動の指導者だった王丹氏は、Xに「極めて恥知らずな判決だ」と投稿した。
王氏は、自らを強大だと誇る政権が、1人の若者をここまで執拗に弾圧することは、政権の内心の恐れと残虐さを物語っていると批判した。
「黄之鋒氏は香港の自由を求めて声を上げ、活動してきた。それが罪だというのなら、本当の犯罪者は、若者を街頭で抗議せざるを得ない状況に追い込んだ権力者たちだ」
王氏はさらに、「今回の判決は中共の本性を改めて暴き、普遍的価値や自由の理念を徹底して敵視する政権であることを証明した」と述べた。
独立系時事評論家の蔡慎坤氏も、中共は黄氏に次々と新たな罪を着せ、刑期を延ばすことで、かつて意気盛んだった若者に、人生で最も貴重な青春時代を獄中で過ごさせようとしていると批判した。
蔡氏は、自らを強大だと誇る中共政権が、武器も持たず、言論や政治活動で主張を訴えるだけの若者を、これほどまでに恐れていると批判した。
黄氏は香港の民主主義、自由、自治を求めて活動してきた。蔡氏は、こうした政治的な主張を理由に長期間にわたり自由を奪ってはならず、国家安全保障を口実に権力を際限なく拡大してはならないと強調した。
さらに、民主派の人々が相次いで投獄され、政治参加の道が完全に閉ざされる中、香港が失ったのは政治家たちの自由だけではないと指摘した。かつて香港の繁栄と活力を支えてきた社会の基本的な信頼まで失われているという。
黄氏は香港の民主化運動に積極的に参加し、これまでに繰り返し逮捕された。2014年の香港「雨傘運動」を代表する人物の1人で、2016年には民主派政治団体「香港衆志」の設立に加わった。2018年にはノーベル平和賞候補に推薦された。
2019年には香港の歌手で民主活動家の何韻詩(デニス・ホー)氏とともに米議会で証言し、「香港人権・民主主義法案」の可決を訴えた。中共は黄氏を「反中乱港」分子と位置づけている。
米議会議員や国際人権団体は以前から、黄氏の起訴を政治的迫害だと批判し、釈放を求めてきた。一方、中共の統制下にある香港当局は、国家安全保障のためだとして、黄氏への有罪判決は正当だと主張している。
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