中共がSNS偽アカウントで米国社会の分断工作 米議員「国家安全保障への脅威」

2026/10/21
更新: 2026/10/21

ピート・リケッツ米上院議員は大紀元に対し、中国共産党(中共)がSNSの偽アカウントを使って米国社会の分断をあおっていると指摘した。こうした行為は深刻な問題であり、米国の国家安全保障を脅かしていると警告した。

また、米シンクタンク、ハドソン研究所の宗教自由センター所長兼上級研究員、ニーナ・シェイ氏も大紀元に対し、中共がSNSで偽情報を拡散する行為は「犯罪だ」と述べ、米政府に規制と監督の強化を求めた。

中共がSNSの偽アカウントで米社会の分断あおる 米上院議員が警告

リケッツ氏は9月15日、中共がSNS上に大量の偽アカウントを作成し、偽情報を拡散して神韻芸術団や法輪功などを攻撃している問題について、大紀元の取材に応じた。

同氏は「中共がボットアカウントを作成し、米国内の対立をあおっていることは極めて深刻な問題であり、頻繁に起きている」と述べた。

また、中共がSNSで偽情報を広め、法輪功や神韻芸術団、香港、台湾、ウイグル人などを標的に中傷する行為は、米国の国家安全保障を脅かしていると語った。

「中共は米国を弱体化させようとしている。これはまさに国家安全保障上の問題であり、問題の核心だ」と強調した。

法輪功の報道担当、張而平氏は9月22日、米連邦議会の「中国に関する議会・行政府委員会(CECC)」の公聴会で証言した。

張氏は、中共指導者の習近平が、法律を利用した圧力に加え、海外の法輪功団体に対する偽情報工作を命じたと証言した。工作には、目的を悟られにくいSNSアカウントや報道機関を利用し、神韻芸術団は「中傷と妨害工作の主要標的」に指定されたという。

張氏は「いったん対象への否定的な印象を与える情報が作られると、組織的な偽情報工作によって広く拡散される。こうした手法は、米国社会で標的となった団体への敵意をあおり、米国人同士を対立させることを狙っている」と説明した。

これに先立ち、法輪大法情報センターは「SNSの武器化 中共による法輪功の世界的な『根絶』に向けた新たな計画」と題する報告書を発表した。

報告書によると、中共は公安部などの組織の資源を動員し、SNSのインフルエンサーによる法輪功や神韻芸術団への攻撃を「全面的に支援」しているという。

具体的には、偽情報の拡散や検索結果の操作を通じて、米政府や米国民が法輪功や神韻芸術団に反対するよう誘導する狙いがあると指摘した。

では、米国はこうしたボットアカウントを使った偽情報の拡散にどう対処すべきなのか。

リケッツ氏は、米国民に問題を周知するとともに、SNSを運営する大手IT企業が偽アカウントを速やかに削除する必要があるとの考えを示した。

「まずは米国民にこの問題を知ってもらう必要がある。SNSでのやり取りのうち、4~5回に1回は中共のボットアカウントが相手かもしれないということを認識してもらわなければならない」と語った。

米国家情報長官室は、2025年の「年次脅威評価報告書」で、親中共派のネット工作関係者がAIで生成したニュースキャスターや、AI生成のプロフィール画像を使った偽アカウントを利用し、薬物、移民、中絶などの問題をめぐって米国社会の対立をあおっていたと指摘している。

リケッツ氏はさらに「次に必要なのは、米政府やXなどの企業と協力することだ。Xは最近、大量の偽アカウントを発見した。こうしたアカウントをできるだけ早く削除するよう、積極的に働きかけなければならない」と述べた。

中共は偽アカウントを利用して反体制派や宗教団体を攻撃するだけでなく、米国の政治や選挙にも影響を及ぼそうとしている。2026年の米中間選挙が近づくなか、こうした問題への関心が高まっている。

Xは10月14日、中国、ロシア、イランに関連する外国の影響力工作に関与した疑いのあるアカウントを、1万3千件以上停止したと発表した。これらのアカウントは、偽の身元を使って米国の政治議論や選挙に介入しようとしていた疑いがある。

リケッツ氏は、中共がSNS以外にもさまざまな手段で米国への攻撃を仕掛けていると警告した。

「中共の手口はSNSだけにとどまらない。米国の重要インフラを攻撃し、中国企業を米国企業に入り込ませようとし、知的財産を盗み出そうとしている。SNSを使った工作は、米国に対する一連の攻撃の一部にすぎない」と述べた。

米専門家「SNSでの偽情報拡散は犯罪」 規制強化を要求

ハドソン研究所の宗教自由センター所長兼上級研究員、ニーナ・シェイ氏は9月24日、大紀元に応じ、中共がSNS上に大量の偽アカウントを作成し、偽情報を拡散して神韻芸術団や法輪功などを攻撃している問題について語った。

シェイ氏は、こうした偽情報の拡散は犯罪行為に当たると主張し、米連邦政府はSNSアカウントの信頼性を確認するための法規制を設け、監督を強化すべきだとの考えを示した。

「SNSで偽情報を広め、他人を攻撃する行為は名誉毀損に当たる。米国では犯罪だ」と述べた。

さらに「米政府はインターネットやSNSのアカウントについて、本人確認の仕組みを法律で定める必要がある。人々が本物の情報と偽情報を見分け、AIで生成された偽画像を識別できるようにすべきだ。そうしなければ、人々の名誉が傷つけられ、無実の人々が中傷されることになる」と訴えた。

法輪大法情報センターのレヴィ・ブラウド事務局長と同センターの上級責任者ジェームズ・ユー氏は、2026年5月31日、米連邦議会の中国に関する議会・行政府委員会に書面証言を提出した。

証言では、2025年3月にXが、中共と関連する疑いのある数千件のボットアカウントや偽アカウントからなるネットワークを削除したと説明している。

これらのアカウントは、法輪功や神韻に関する誤解を招く情報や、事実を歪曲した内容を大量に拡散していたという。

神韻を標的にしたある記事は、2万8千回以上リポストされた。しかし、リポストしたアカウントのうち、フォロワーが50人を超えるものは6%未満で、約80%にはフォロワーが一人もいなかった。

証言では、こうした特徴は自然発生的なSNS上の反応ではなく、偽アカウントを組織的に利用した情報拡散を示していると指摘した。

また、SNS分析会社Graphikaは2026年1月、43のドメインと37のサブドメインからなるネットワークを明らかにした。

これらのサイトは、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの欧米主要メディアを装い、中共当局寄りの情報を拡散していた。

報告書によると、法輪功や神韻、法輪功の創始者が、同ネットワークによる影響工作や越境弾圧の主な標的となっていた。関連する情報は、中共とつながりのあるXアカウントによってさらに拡散されていた。

シェイ氏は、AIを利用した情報操作の危険性についても警鐘を鳴らした。

「米国の連邦通信当局やAI政策を担当する人々は、AIがどのように情報を操作するのか、次第に理解を深めている。AIで作られた偽の画像や動画、さらには実在しない人物のアカウントが、いかに危険であるかを認識し始めている」と述べた。

さらに「こうした情報操作は米国人の考え方に影響を与え、政治的な判断にも影響している。国内の問題だけでなく、外交政策に対する見方まで左右していることは、広く知られている」と語った。

米司法省も、中共による偽アカウントを使った情報工作や越境弾圧への取り締まりを進めている。

2023年4月17日、米司法省は中共の公安当局者34人を起訴したと発表した。米国内の中国人反体制派を標的とした越境弾圧に関与したとして、大量の偽SNSアカウントを使った嫌がらせや脅迫、宣伝工作などの疑いが持たれている。

李辰