中共 軍事粛清主導した重要人物を共産党政治局に昇格

2026/10/30
更新: 2026/10/30

中国共産党は10月29日、北京で4日間にわたり非公開で開いた第20期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、張昇民・中央軍事委員会副主席(68)を党政治局員に選出した。来年後半に予定される党大会を控え、軍を中心に前例のない規模の粛清が続くなか、空席となっていたポストが埋められた形だ。

党の公式発表は同日、国営新華社通信を通じて伝えられた。政治局は、党の最高指導部である政治局常務委員会に次ぐ中枢機関で、現在22人で構成される。

今回の人事は、軍の最高意思決定機関である中央軍事委員会の副主席2人を政治局員とする党内の慣例に沿ったものだ。張昇民は昨年10月の第4回全体会議(4中全会)で軍委副主席に起用されていたが、その際は政治局入りを見送られていた。

ただ、全体会議の場で政治局員を補充するのは実に32年ぶりという異例の事態だ。前回は1994年9月の第14期中央委員会第4回全体会議で、天津市党委書記を務めた譚紹文の死去に伴う欠員を、上海のトップだった黄菊が埋める形で政治局入りして以来となる。

中国では現在、軍各部門の指導部を揺るがす大規模な粛清が拡大している。2022年の党大会で発足した軍事委員会は、習近平を除く委員6人のうち、すでに5人が失脚した。政治工作畑を歩み、党中央軍事委員会規律検査委員会書記を兼ねる張昇民は、軍内部の規律粛正を長年主導してきた人物で、習近平を除けば軍出身幹部として唯一生き残った形となる。

粛清の広がりは党指導部の安定性に疑問を投げかけており、政権側は情報統制を強めているとみられる。軍高官の失脚が公になるまでの期間は徐々に長期化する傾向にあり、公表が見送られたまま消息不明の幹部も少なくない。

今回の5中全会では、粛清の規模をうかがわせる数字も明らかになった。新華社の発表によると、出席した中央委員は162人、候補委員は117人の計279人にとどまった

2022年の党大会で選出された中央委員・候補委員計376人に対する出席率は74%で、米シンクタンク、アジア・ソサエティー政策研究所の専門家らが事前に見込んでいた水準を下回り、毛沢東時代の終焉以降で最低となった。党側は欠席の理由や欠席者の氏名を明らかにしていない。

王毅の後任候補の除名も判明

29日に発表された5中全会の公報では、元党中央対外連絡部長の劉建超(62)について、重大な規律違反・法律違反があったとして除名処分を受けたことも公式に確認された。同様の処分を受けた中央委員・候補委員は合わせて33人に上り、劉建超の処分が公になったのは今回が初めてとなる。

劉建超の名前が同部公式サイトの幹部紹介ページから消えたのは2025年9月末。最後の公の場での活動は同年7月末のアルジェリア訪問で、以後1年以上にわたり消息不明の状態が続いていた。米欧メディアは2025年8月、劉建超が外遊から帰国した直後に当局に拘束され、聴取を受けたと報じていた。

反腐敗分野での経験も長い劉建超は、外交部長・秦剛の失脚後、次回党大会前後での引退が見込まれる王毅の後任候補の一人と目されてきた外交官だった。今回の発表により、1年以上にわたり公表されてこなかったその去就が、ようやく公式に確認された形だ。