中国GDP成長率4.6% 欧米の経済学者が相次ぎ疑問

2026/10/29
更新: 2026/10/29

不動産危機や消費の低迷が中国経済の成長を妨げるなか、公式統計によると、今年1〜9月のGDP成長率は4.6%に達した。しかし、中国共産党(中共)が発表する経済統計は、実際の経済状況の深刻さを覆い隠していると指摘する経済学者が増えている。

中共国家統計局が先日発表したデータによると、中国経済の7〜9月期の成長率は前年同期比4.5%で、4〜6月期の4.3%を上回った。1〜9月の成長率は4.6%だった。中共指導部は今年の経済成長率目標を4.5〜5%に設定しており、目標の下限は前年の成長率5%を下回っている。

中国では不動産市場の低迷が続き、個人消費もほぼ停滞している。それにもかかわらず、当局が発表した経済成長率は高く、公式統計の信頼性に疑問が生じている。

ウォール・ストリート・ジャーナルが10月28日に報じたところによると、一部の欧米のアナリストは、中国の今年の経済成長率を0〜3%と予測しており、中共が発表したGDP成長率を大きく下回っている。

独立系調査会社ロジウム・グループの共同創業者、ダニエル・ローゼン氏は「中国ほど経済規模が大きい国で、マクロ経済のデータがこれほど混乱しているのは極めて珍しい」と述べた。

ロジウム・グループは、中国経済を公式統計とは異なる方法で評価する手法を提供している。同社のエコノミストらは、信頼できる透明性の高い統計がなければ、中共当局も海外の投資家や政策担当者も、合理的な投資判断や政策決定を下すことが難しくなると警告している。

同社は、中国の2026年通年のGDP成長率がほぼ0%になると推計している。小売売上高の伸びが鈍く、固定資産投資も大幅に減少している状況では、中国経済が4.5%の成長を達成することは不可能だとみている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中共は経済に関する論評を抑え込み、金融データへのアクセスも制限している。かつて研究者や投資家が利用していた多くのデータが、現在では入手できなくなっている。

最近の取り締まりによって情報不足がさらに深刻化し、公式統計の正確性を検証することが一段と難しくなっている。

例えば、中共は四半期ごとのGDPの詳しい内訳を公表していない。こうしたデータがあれば、どの分野が経済活動を支えているのかを把握できる。また、労働市場の実態を把握するうえで重要な、毎月の労働参加率も公表していない。

一方、英調査会社キャピタル・エコノミクスは、独自に開発した指数を使い、中国の7〜9月期の経済成長率を2%と推計した。成長率を押し下げた主な要因は工業活動の低迷で、特に建設業と石油化学産業の落ち込みが大きかったという。

同社によると、この推計モデルには、都市間の旅客輸送量や工業用電力消費量など、あまり注目されていない数百種類の公式統計を採用している。こうした統計は注目度が低いため、数字を操作される可能性が比較的小さいという。

キャピタル・エコノミクスの中国経済専門家、ジュリアン・エバンスプリチャード氏は、中共が経済成長目標の達成に苦しむ時期ほど、民間の予測と公式の予測との隔たりが大きくなると指摘した。

同氏によると、同様の食い違いは2008年の世界金融危機、2014年の不動産市場低迷、2020年に始まったコロナ流行期にも見られた。特にコロナ禍では、当局が都市封鎖を実施していたにもかかわらず、最終的に公表した経済成長率は比較的高い水準だった。

また、中国の著名な経済学者数人は、9月の失業率が5.2%に小幅低下したとする政府統計について、実際にはより深刻な失業問題を覆い隠していると指摘した。

米経済誌フォーチュンも10月28日付の記事で、中国の経済統計に疑問を呈した。

米民間調査機関コンファレンス・ボードのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、マックス・ツェングライン氏は、公式統計が示す高い経済成長率について、「経済全体の実態をますます反映しなくなっている」と指摘した。

ツェングライン氏は、その理由について、公式統計が「産業、地域、家計の各レベルで拡大し続ける格差」を覆い隠しているためだと説明した。

同氏は、中共当局が今後、難しい政策判断を迫られると指摘。海外からの圧力への対応よりも、国内の不均衡な発展を是正する方が難しくなる可能性があると警告した。

任義