中共のグレーゾーン圧力激化 台湾は海上防衛を強化

2026/11/04
更新: 2026/11/04

台湾で対中政策を担う大陸委員会は、五中全会後、中共政権が「グレーゾーン」行動を強化し、台湾および周辺国の海域管轄権に段階的に挑戦する可能性があると警鐘を鳴らした。中共による海上での妨害行為に直面し、台湾は海域監視と自主的な情報収集能力の強化を加速させている。日米韓の外相も、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した。

今月2日、大陸委員会の沈有忠副主任は、中共第20期五中全会後、中共が全面的な軍事衝突を避けながら、海警船、調査船、民兵船をこれまで以上に頻繁に動員し、いわゆる国内法規、主権の表明、一方的な法執行を通じて、台湾、日本、フィリピンの海域管轄権に挑戦してくる可能性があると懸念を示した。

沈氏はさらに、五中全会で党内統制を一段と厳格化する決定が採択され、習近平の第21回党大会での続投に向けた布石が敷かれたことで、内部統制をめぐる焦りが強まる可能性があると指摘し、台湾に対して「未統先治(まだ統一されていない状態のまま、まずは統治や実務的な協力を進める)」を加速させる可能性を排除できないとした。

台湾の「中華海巡協会」葉雲虎秘書長は、中共軍上層部の粛清によって実戦経験と将官間の信頼関係に断絶が生じ、軍の指揮能力が弱体化していると分析した。また、こうした状況により、中共は台湾に圧力をかける手段として、戦争の敷居を下回るグレーゾーン戦術に、より傾くようになっていると指摘した。

「『未統先治』とは、両岸がまだ統一されていない段階で、法律戦によって常態化した巡航と法執行を行うということである。将来、台湾に対して戦争を発動する機会が生じれば、台湾周辺の水域を内海化したり、その管轄権を主張したりすることができ、そうやって徐々にインド太平洋地域における航行の自由の現状を変えていくことになる」

近年、中共は継続的に圧力をかけ続けている。10月30日と11月2日、中共海警船が2度にわたり編隊を組んで金門の制限水域に進入した。先月31日には、海警の虎獅艦編隊が台湾東方で哨戒を行ったほか、別の海警船が船舶自動識別装置(AIS)を停止させた状態で東沙の制限水域に進入した。

台湾海巡署によると、今年は先月31日までに、東沙において中共海警船を13回、延べ16隻排除したということである。

葉雲虎氏は、中共が民兵、法執行力、海軍による3段階の連携体制を形成し、活動範囲を徐々に台湾周辺水域へと押し進めていると指摘した。

「第一線は民兵、つまり海上民兵である。第二線は法執行で、必ずしも海警とは限らず、海上に関係する機関の船舶であればどれでも動かすことができる。第三線は部隊、すなわち海軍が外側に位置するか、あるいはその中に紛れ込んでこうした活動を行う。活動範囲は、かつての中間線から今では我々の制限水域にまで前進しており、将来的には、台湾本島について言えば、24海里の線から24海里から12海里の間へと徐々に押し進められていくだろう。最終的には、我々の海上における緩衝地帯はより小さくなっていくことになる」

民間シンクタンク「インド太平洋戦略シンクタンク」の特別顧問である陳文甲氏は、グレーゾーン活動は低コストで、台湾を消耗させると同時に、国際社会の反応を試すこともできると分析した。

「その核心的な狙いは、海警の巡航、調査活動、そして一方的な法執行によって、政治的主張を実質的な支配へと転換させ、台湾周辺があたかも中共によって管理されているかのような見せかけを徐々に作り出すことにある。そのため、台湾は、中共が平時と戦時の間の曖昧さを利用して勢力拡大を進めていることを見極めなければならない。グレーゾーンでの圧力が増していることは、軍事的脅威が消えたことを決して意味しないと考えている」

今月2日、台湾は台南市の安平港で無人機・無人艇の実演を行い、無人水上艇、無人水中航走体、自律航路計画、協調編隊運用、水中ソナーによる探知技術などを公開した。

台湾海洋委員会の管碧玲主任委員は、グレーゾーン活動や海上での法執行といった課題に直面する中、台湾は自主的な科学研究能力と海域のデータベースを構築しなければならないと述べた。現在、海洋委員会は「国家級海洋レーダー観測網」を段階的に構築しており、海洋基礎データ調査船2隻はすでに8月に進水している。

海洋委員会も、無人機や無人艇などの装備の整備を加速させ、海上・空中・水中を網羅する立体的な監視能力の強化を進めている。

先月30日、日米韓の外相はG20外相会合の期間中に3か国協議を行い、台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を改めて強調した。

ルビオ米国務長官も、中共による南シナ海や東シナ海、黄海における示威的な行動、および中露の協力関係に対して懸念を表明した。

陳文甲氏は「中共は低強度の行動によって各国の反応を分断しようと企図しているが、それは同時に各国が協力して対抗する根拠を積み重ねる結果にもなっている。3か国の協力は共同での出兵を意味するわけではないが、協調が具体的かつ緊密になればなるほど、中共による隠密な工作や段階的な圧迫の余地は小さくなり、台湾への圧力行使にかかるコストも高まっていくだろう」と語った。

台湾外交部は、3か国の外相が台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認したことに謝意を表し、今後も米国および理念を共有する国々との協力を深化させ、台湾海峡とインド太平洋地域の平和と安定を共に維持していくと述べた。