バイナンスから63億ドル超盗難 偽面接とマルウェアで侵入

2026/11/04
更新: 2026/11/04

世界最大の暗号資産取引所バイナンスから、約63億4千万ドル相当の暗号資産がハッカーに盗まれた。暗号資産のハッキング被害としては過去最大規模となる。バイナンスは11月3日に発表した初期調査報告書で、今回の攻撃について、偽の採用面接やマルウェアなど複数の手法を組み合わせた、周到に計画された多段階のサイバー攻撃だったと説明した。

報告によると、ハッカーは偽の採用面接を利用して社内システムに侵入し、最終的に同社の暗号資産ウォレットを制御した。被害額は63億4千万ドルに相当し、暗号資産を狙ったハッキング事件として過去最大規模となった。

攻撃は6月に始まった。ウォレット開発チームの社員Aが、改ざんされたAI関連ツールをダウンロードしたことが発端だった。セキュリティーチームは異常を検知し、端末の交換や認証情報の変更などの対策を講じたが、その時点ですでに、ハッカーはチームメンバーのアクセス権限を入手していた。

その後9月、エンジニアBが、ハッカーが仕組んだ偽の採用面接を受けるなかで、悪質なコードを含むリポジトリを使った課題をダウンロードするよう誘導された。

報告によると、このマルウェアには高度な難読化や検知回避の技術が使われ、当時のエンドポイントセキュリティーによる検知を回避した。

数か月にわたる侵入を経て、ハッカーは10月20日、エンジニアBの感染した端末とバイナンス社内のAIツールを利用し、社員AとチームメンバーCのシステムを乗っ取った。そして10月29日、ハッカーは短時間のうちに63億ドルを超える暗号資産を盗み出した。

バイナンスは、一連の手口から、今回の攻撃は複数の技術を組み合わせた計画的な多段階攻撃だったとしている。

事件を受け、同社はAI検知技術や端末保護、異常行動の監視などへの投資を拡大する方針を示した。

報告書では、FBIが公表した最新情報を踏まえ、北朝鮮が今回の窃盗事件に責任を負うとしている。

3日までに、被害を受けた暗号資産の98%はすでに補填され、盗まれた資産のうち約28億5千万ドルは凍結、または移動を阻止したという。