米国務省 イラン緊張激化を受け中東の軍事施設への渡航を避けるよう警告

2026/01/15
更新: 2026/01/15

サウジアラビアの米国代表部は、サウジアラビア国内の米国人に対し、細心の注意を払い、地域全体の米軍施設への移動を避けるよう促した。これは、トランプ米大統領がデモ参加者の死を巡る攻撃を排除しない意向を示唆したことを受け、イラン当局がテヘランは強力に対応する準備ができていると新たに警告したためである。

1月14日のセキュリティアラートにおいて、米国代表部は職員に対し「警戒を強め、地域内のいかなる軍事施設への不要不急の移動も制限する」よう勧告したと述べ、サウジアラビアに滞在する米国市民にも同様の予防措置を講じるよう推奨した。

代表部は、職員配置や運営に変更はなく、領事サービスも通常通り継続しているとしたが、旅行者に対しては最新のセキュリティ情報を確認し、旅行計画の混乱をチェックし、自身や家族のために適切な判断を下すよう促した。

この勧告は、当局がデモ参加者を絞首刑に処しているという報告が事実であれば「非常に強力な措置」をとるとトランプ大統領がイラン指導部を牽制し、またイラン指導部が、いかなる対立においても米国の利益や同盟国が攻撃対象になり得るとの警告を強めている中で出された。

トランプ氏、イランに警告

トランプ氏は1月13日に放送されたCBSニュースのインタビューで、イランがデモ参加者の絞首刑を開始すれば「レッドライン」を越えることになるのかとの質問に対し、警告を発した。「絞首刑については聞いていない。もし彼らが実行するなら……我々は非常に強力な措置をとる。もし彼らがそのようなことをすれば、我々は非常に強力な措置をとるつもりだ」とトランプ氏は語った。

これに先立つ1月13日、トランプ氏はSNS「Truth Social」への投稿で、デモ参加者は国の機関を占拠し、虐待の証拠を保存すべきだと記し、指導部への圧力を維持するようデモ隊を激励した。

「殺人者や虐待者の名前を保存せよ。彼らは大きな代償を払うことになる」とトランプ氏は記し、殺害が止まるまでイラン当局者とのすべての会談はキャンセルされたとし、「助けは向かっている」と付け加えた。

「最終的な結末(エンドゲーム)」について問われると、トランプ氏は1期目の事例を挙げ、ISISの指導者アブ・バクル・アル=バグダディ容疑者や、イランのガセム・ソレイマニ将軍の殺害に言及した。

「イランで今起きているような事態は見たくない。国民が抗議の声を上げること自体は、一つの意思表示のあり方だろう」とした上で、「だが、当局が何千人もの人々を殺害し始め、さらには絞首刑の話まで出ているとなれば話は別だ。そのような行為が彼ら(イラン政権)にとってどんな結末を招くか見てみよう。決して良い結果にはならないだろう」とトランプ氏は語った。

テヘラン、米国の攻撃には応戦すると表明

イラン当局は、米国の攻撃は報復を招き、複数の標的や戦域に拡大する可能性があると繰り返し示唆している。

最高指導者アリ・ハメネイ師のアドバイザーであるアリ・シャムハニ氏は1月14日、X上で、カタールにある米軍のアル・ウデイド空軍基地に対する過去のミサイル攻撃を引き合いに出し、イランはいかなる侵略にも対応すると示唆した。

投稿の中でシャムハニ氏は、イランの核施設に対する米国の攻撃への報復として、アル・ウデイドの米軍基地を「壊滅させた」ミサイル攻撃をトランプ氏は思い出すべきだと述べた。シャムハニ氏は、アル・ウデイドへの報復攻撃は「いかなる侵略にも対応するイランの意志と能力」を思い知らされるものになるはずだと主張した。

アル・ウデイドは中東最大の米軍基地であり、この地域における米軍の航空作戦や司令機能において重要な役割を果たしている。

これとは別に、イラン議会のモハンマド・バゲル・ガリバフ議長は1月13日、米国が攻撃してきた場合、イランは「地域を火の海にする」準備ができていると述べた。アルジャジーラの報道によれば、ガリバフ氏は、中東全域の米軍艦船や基地、さらにはイスラエル領土も「正当な標的」に含まれると付け加えた。

カタール、「地域的緊張」の中で警告を発令

アル・ウデイド基地が所在するカタールは、緊張の再燃を受け、同基地での予防措置を認めた。

1月14日の声明で、カタールの国際メディア局(IMO)は、一部の要員がアル・ウデイドから離脱したとの報告は「現在の地域的緊張に対応して講じられた」措置に関連していると述べた。

「IMOは、カタール国が最優先事項として、重要インフラや軍事施設の保護に関する行動を含め、市民および居住者の安全と安心を守るために必要なすべての措置を引き続き講じていることを再確認する」と声明には記されている。なお、離脱した要員の中に米軍部隊が含まれているかどうかについては明記されていない。

エポックタイムズは米中央軍にコメントを求めたが、公開時までに回答は得られなかった。

外交が「第一の選択肢」だが、攻撃も排除せず

ホワイトハウスは、イランによるデモ参加者の弾圧に対し、軍事的選択肢を含む複数の手段を検討していると述べている。

1月12日、レヴィット報道官は記者団に対し、米国にはイランに関して検討中の多くの選択肢が残されていると語った。空爆も選択肢の一つではあるが、「大統領にとって外交は常に第一の選択肢である」と述べた。

国務省はまた、イランに滞在する米国市民に対しても警告を発し、出国に際して米国の支援を頼りにしないよう求めている。オンライン上の在イラン米国大使館は、まだ国内に留まっている米国人に対し、直ちに出国するよう警告した。

「今すぐイランを離れてください。米国政府の助けをあてにしない出国計画を立てること。もし離れられない場合は、自宅内や他の安全な建物の中に安全な場所を確保してください。食料、水、医薬品、その他の必需品を備蓄しておくように」と大使館は伝えた。

大使館は、抗議活動が激化しており、暴徒化して逮捕や負傷につながる可能性があると注意を促した。

米国を拠点とする人権活動家ニュースエージェンシー(HRANA)は1月13日、経済状況をきっかけに始まり、後にイランの聖職者指導部への直接的な挑戦へと拡大した大規模デモの開始から17日が経過したと発表した。

HRANAは、187の都市と全31州で614の抗議集会が記録されたと報告し、入手可能な情報に基づくと、約1万8千434人が逮捕されたと述べた。同グループは、12人の子供を含む約2403人のデモ参加者が殺害されたとしており、実際の犠牲者数はさらに多い可能性があると付け加えた。

またHRANAの報告によると、弾圧によって1100人以上が重傷を負い、デモ開始以来、デモ参加者以外の9人の死亡も記録されている。また、治安部隊員や政府支持者147人も殺害されたと報告されている。

これらの数値については、エポックタイムズが独自に検証することはできなかった。
イランは騒乱が激化して以来、インターネットアクセスや電気通信に広範な制限を課しており、現地の状況を独自に確認する作業を困難にしている。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。