イランのイスラム革命防衛隊は3月22日、トランプ米大統領がイランのエネルギー施設を攻撃するという警告を実行に移せば、ホルムズ海峡全体を封鎖する動きに出ると表明した。
トランプ氏は3月21日のSNS投稿から48時間以内に、テヘラン(イラン当局)が「脅威を与えることなく」ホルムズ海峡を完全に開放しなければ、米軍は「イランのさまざまな発電所を、まず最大規模のものから順に攻撃し、粉砕する」と述べていた。
この発表は、トランプ氏がイランに関する中東での軍事目標達成に「非常に近づいている」とし、開戦から4週目に入ったところで戦争を「終結させる」ことを検討すると示唆した翌日に行われた。
革命防衛隊は3月22日の声明で、「ホルムズ海峡は完全に閉鎖され、破壊された我々の発電所が再建されるまで開放されることはない」と述べた。
また、革命防衛隊は、ワシントンがイランのエネルギー施設を標的にした場合、米国株を持ついかなる企業も「完全に破壊」されると主張。声明によれば、米軍基地を置く国々のエネルギー・インフラも「正当な」攻撃対象になるという。
さらにイランは3月22日、トランプ氏が48時間の最後通牒を実行した場合、近隣の湾岸諸国のエネルギー・水施設を攻撃するとも警告した。
トランプ氏は21日の声明の中で、ホルムズ海峡について「それを利用する他の国々が必要に応じて警備・監視すべきであり、米国が行う必要はない」と述べている。
また、「要請があれば、我々はそれらの国のホルムズ海峡における取り組みを支援するが、イランの脅威が根絶されればその必要はなくなるはずだ。重要なのは、彼らにとってそれは容易な軍事作戦になるということだ」と付け加えた。
米国の石油輸入のうちホルムズ海峡を通過するのはごく一部だが、世界の石油供給量の約20%、液化天然ガス(LNG)供給量の20%がこの極めて重要な航路を通過する。
イランのマムード・ペゼシュキアン大統領は3月22日にSNSに投稿した声明で、ホルムズ海峡は「我々の領土を侵す者を除き、すべての人に開かれている」と述べた。
イランが、自国政権から明確な安全通航の許可を得ていないあらゆる国の船舶に対して事実上海峡を閉鎖したことで、世界の石油供給の混乱は市場に大きな変動と不透明感をもたらしている。
海峡の封鎖が続く中、国際的な指標である北海ブレント原油先物価格は3月22日午前までに1バレルあたり112.19ドルまで上昇。イランの指導者らは、戦争が続けば価格は200ドルまで高騰する可能性があると述べている。
中国、インド、日本を含む多くのアジア諸国は、この海峡を通過するエネルギー輸入に大きく依存している。
日本の茂木敏充外務大臣は3月22日、米国とイスラエルがイランと停戦に至った場合、ホルムズ海峡での掃海作業に自衛隊を派遣することを検討する可能性があると述べた。
茂木氏はフジテレビの番組で、「仮定の話だが、完全な停戦が成立したならば、掃海といったことが(議題に)上がってくる可能性はある」と言及。「あくまで仮定だが、停戦が成立し、機雷が障害となっているのであれば、それは検討すべき事項になると思う」と述べた。
茂木氏は、足止めされている日本関連船舶の通過を許可するよう交渉する具体的な計画は現時点ではないとしている。同氏は、すべての船舶がこの狭い水路を安全に通過できる能力を保証することは「極めて重要」だと述べた。
しかし、イランのアラグチ外相は3月20日、共同通信に対し、日本関連船舶の安全通航を許可する可能性について茂木氏と協議したと語っていた。
日本は石油輸入の約90%をこの海峡に依存している。テヘランが水路を事実上封鎖した現在、世界的な原油価格の上昇により、日本やその他の諸国は備蓄石油の放出を余儀なくされている。
アラブ首長国連邦(UAE)は3月21日、ホルムズ海峡の安全通航の確保への支持を表明する国々のリストに加わった。
UAEを含む20カ国以上は、21日に発表した共同声明で、「海峡の安全な通航を確保するための適切な取り組みに貢献する用意がある。準備段階の計画に関与している諸国のコミットメントを歓迎する」と記している。
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