4月16日、米海軍はイランに対する封鎖対象を拡大した。対象は、イランの港に寄港する船舶だけでなく、現在アメリカの制裁対象となっている船舶や、禁制品を運んでいる疑いのある船舶にも広がった。ヘグセス米国防長官はまた、北京がイランに武器を供与しないと約束したと改めて明らかにした。
4月16日、米国防総省はイラン情勢に関する記者会見を開いた。統合参謀本部議長のケイン大将は、米軍がイランを支援する「影の船団」の船舶を「積極的に追跡する」と述べた。これらの船舶がペルシャ湾以外の海域を航行している場合でも対象になるとした。
米軍の海上封鎖 太平洋を含む各地に拡大
ケイン氏は、米軍が太平洋を含む各地の海域でも同様の作戦を展開し、イラン支援の疑いがある船舶の取り締まりを進めていると述べた。
米海軍は4月16日の発表で、イランに対する海上封鎖の範囲を広げ、禁輸品と見なされる貨物も新たに対象に加えたと明らかにした。イラン領海に向かっている疑いのある船舶は、捜索や拿捕を受ける可能性があるという。
海軍は声明で、「こうした船舶は、所在海域を問わず、立ち入り検査、捜索、拿捕の対象となり得る」と説明した。禁輸品には、武器、兵器システム、弾薬、核関連物資、原油や石油製品のほか、鉄、鋼、アルミニウムなども含まれるとしている。
また声明では、イランに向かっている疑いのある船舶は、海事ルールに基づき、交戦当事国による臨検を受けるとしている。
4月16日、米中央軍はイラン封鎖の最新状況を公表した。米軍がイランの港湾封鎖を開始してから72時間の間に、14隻の船舶が米軍の指示に従って進路を変更したという。
ケイン氏はまた、米軍が封鎖しているのはイランの港に出入りする船舶であり、ホルムズ海峡そのものを封鎖しているわけではないと強調した。
国防長官「中国はイランに武器を送らないと約束」
ヘグセス長官は4月16日の記者会見で、中共政府がイランへの武器輸送を計画しているとの報道についても言及し、アメリカはそうした事態は起きないとの保証を得ていると述べた。
ヘグセス氏は、「トランプ大統領と習近平は直接意思疎通を行っており、この件についてもやり取りしている。北京はわれわれに対し、そのような武器供与は行わないと保証した」と語った。
一方、事情に詳しい関係者がCNNに明らかにしたところによると、米情報当局は、中共が今後数週間のうちにイランへ新たな防空システムを引き渡す準備を進めているとみている。
トランプ氏は4月15日に放送されたインタビューで、この件について習近平と書簡を交わしたと明らかにした。
トランプ氏は、「中国がイランに武器を供与していると聞いたからだ。そうした報道が相次いでいた」と述べた。そのうえで、「私は、そうしないよう求める手紙を書いた。すると彼は返信で、基本的には、そのようなことはしていないと答えてきた」と語った。
トランプ氏は5月に北京を訪問し、習近平と会談する予定だ。
中共がホルムズ海峡の再開を望む理由
アメリカがイランの港に海上封鎖を実施した背景には、中共政府に圧力をかけ、イランを協議の場に戻して合意に応じさせる狙いがある可能性がある。
中共外務省の発表によると、王毅外相は4月16日、イランのアッバス・アラグチ外相との電話会談で、「海峡の正常な通航の回復に努めることは国際社会共通の呼びかけだ」と強調した。
王毅はまた、アラグチ氏に対し、ホルムズ海峡の正常な通航の回復に努めるよう促した。
中国の石油輸入のおよそ20%はイラン産で、エネルギー供給の半分以上がホルムズ海峡を経由している。CBSニュースは、イラン戦争を終結させる合意は中国側の経済的利益にかなうものであり、北京はイランや他のペルシャ湾岸諸国との通常の貿易再開を望んでいると分析している。
ヘグセス氏は4月16日の記者会見で、米軍によるイラン港湾の封鎖と、イランを支援する船舶の阻止行動は、アメリカが目的を達成したと判断するまで続けると述べた。また、イラン指導部に対し、賢明な判断を下し、アメリカと合意するよう求めた。
さらに、イランの指揮統制能力は「深刻に損なわれている」としたうえで、アメリカとの停戦合意を守らざるを得ない状況にあるとの認識を示した。停戦合意に違反すれば、米軍によるさらなる攻撃を招くことになると警告した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。