中共の警告を無視 トランプ氏「いつでも賴清徳氏と通話可能」

2026/06/06
更新: 2026/06/06

中国共産党(中共)がすでに公に警告を発しているにもかかわらず、トランプ大統領は6月5日、台湾(中華民国)の賴清徳総統と通話する可能性を排除しない姿勢を示した。

エアフォースワンの機内で、記者から賴総統との通話計画について問われたトランプ氏は、「私はいつでも彼と話す用意がある」と明言した。

先月、トランプ氏は北京訪問後、帰路の機内で初めてこの通話に言及した。当時、同氏は、今年初めに議会が承認した総額140億ドル(約2兆2千億円)規模の対台湾武器売却案件を進めるかどうかを検討する中で、賴清徳氏と直接通話する意向を示していた。

もし両首脳の通話が実現すれば、米台双方の現職指導者による直接対話としては数十年ぶりとなる。

中共はすでに、トランプ氏にこうした接触を行わないよう求めている。中共の駐米大使館は今週の声明で、アメリカに対し「台湾問題を極めて慎重に扱う」よう促し、この動きが米中関係を損なう可能性があると警告した。

この通話について、台湾側は準備が整っていると表明している。

賴清徳総統は、通話の機会があれば、台湾海峡の平和と安定が世界の安全にとって極めて重要であることをトランプ氏に強調し、同時に中共を台湾海峡の平和の「破壊者」と位置づける考えである。

また、台湾が国防予算を増額しているのは脅威に対処するためであり、アメリカ製兵器の購入は地域の安定を維持するために不可欠な手段と説明する意向を示している。

台湾の対米代表処は、「トランプ大統領と賴総統の通話に関するいかなる手配についても、アメリカ側の発表に委ねる」とコメントしている。

米台首脳通話が持つ歴史的意味

アメリカのルビオ国務長官は今週、議会で対台湾政策に変更はないと改めて表明したが、トランプ氏の発言は政策専門家の間で議論を呼んでいる。

ワシントンのシンクタンク「民主主義防衛基金」(FDD)の中国問題専門家クレイグ・シングルトン氏は、トランプ氏の発言が米台関係にさらなる不確実性をもたらしていると指摘した。

元マレーシア駐在米国大使であり、国務省の東アジア担当官を務めたエドガード・ケーガン氏は、中共にとって米台首脳の通話は武器売却案件よりもはるかに挑発的な意味を持つと分析している。

特に、中共側がすでに警告を発しているにもかかわらず、トランプ氏が通話の意向を引き続き公に示している点について、重要な意味を持つと指摘した。

現在、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の中国研究部門ディレクターを務めるケーガン氏は、トランプ氏が最終的に通話を見送った場合、かえって戦略的余地が生まれ、中共の反発を抑えつつ武器売却を円滑に進めることが可能になるとの見方を示した。

「それにより、トランプ氏は武器売却を発表する余地を確保し、『アメリカが台湾を見捨てた』との批判を和らげると同時に、中共側にも一定程度その立場が尊重されたと受け止めさせることができるだろう」とケーガン氏はAP通信に語った。

陳霆