トヨタ タコマ生産をメキシコから米国へ トランプ氏「関税が効果」

2026/07/08
更新: 2026/07/08

トランプ大統領は7月7日、トゥルース・ソーシャルに投稿し、トヨタ自動車が中型ピックアップトラック「タコマ」の生産をメキシコからテキサス州へ移す計画を称賛した。トランプ氏は、関税政策が効果を上げており、アメリカの製造業を後押しし、雇用の増加につながるとの見方を示した。

トランプ氏は同日朝、トヨタによる生産移管について、「これは本当に非常に大きな出来事だ。関税が効果を上げている!」と投稿した。トランプ氏が言及したのは、自身の通商政策の一環として、カナダやメキシコからの輸入品に関税を課す措置である。

自動車、鉄鋼、アルミニウムなどへの関税が引き上げられる中、トヨタ、現代自動車、ホンダ、日産など複数の自動車メーカーは、アメリカでの投資拡大や一部車種の生産体制見直しを相次いで発表している。アメリカ国内の生産能力を高め、関税リスクを抑える狙いがある。

トヨタ自動車は7月6日、36億ドルを投じ、「タコマ」の生産ラインをメキシコからテキサス州サンアントニオの製造拠点へ移すと発表した。2030年までに、同拠点の規模は現在の2倍に拡大する見通しである。

現在、この工場ではフルサイズピックアップトラック「タンドラ」(ハイブリッド車を含む)と、SUV「セコイア」のハイブリッド車を生産しており、およそ1分に1台のペースで車両を生産している。

テキサス工場の拡張後、年間生産能力は約20万台から35万台に引き上げられる。新設する組立ラインにより、テキサス州では約2千人の雇用が生まれる見込みだ。現在、同工場では3700人以上が働いている。トヨタは昨年、2030年までにアメリカでの投資額を従来計画より最大100億ドル増やす方針を示していた。

テキサス州のグレッグ・アボット知事も7月6日、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・テキサスがサンアントニオに2本目の車両組立ラインを新設し、アメリカでの製造能力を拡大すると発表した。アボット氏は、テキサス州は世界有数の製造拠点であり、トヨタのサンアントニオでの拡張は、それを改めて示すものだと述べた。

アボット氏は、「この大規模な投資は、テキサスの強力な労働力と、州独自のビジネス上の優位性を示している。テキサス企業基金とJETIプログラムの支援を受けた今回の拡張は、サンアントニオ地域に長期的な雇用と経済的恩恵をもたらし、テキサス州が先進製造業の有力な投資先であることをさらに確かなものにする」と語った。

トヨタのテキサス工場は、同州で20年以上にわたり操業してきた。トヨタは2003年、サンアントニオで現在の220万平方フィートの製造工場の建設に着工し、2006年に稼働を開始した。既存施設と拡張予定の施設を合わせた資本投資額は約83億ドルに達し、雇用は計6千人以上となる見込みである。さらに、トヨタのサプライヤー23社も5600人を雇用している。

トヨタ・モーター・ノースアメリカの本社は2014年以降、テキサス州プレイノに置かれている。同社が10億ドルを投じて整備した本社キャンパスには、約6600人の従業員が勤務している。

北米事業の統括会社トヨタ・モーター・ノースアメリカの小川哲男社長兼CEOは、テキサス工場への追加投資について、同州への信頼と、アメリカでのものづくりに対するトヨタの継続的な取り組みを示すものだと述べた。また、イノベーションや雇用機会、長期的な経済成長を重視する姿勢の表れでもあるとした。

今回新たに増設される2本目の完成車組立ラインでは、中型ピックアップトラック「タコマ」を生産する。トヨタの2025年年次報告書によると、タコマは同社の主力車種の一つである。

タコマは耐久性と信頼性に定評があり、維持費が比較的低いだけでなく、中古車価格も安定している。また、複数のオフロード仕様を用意していることから、キャンプ、登山、狩猟などのアウトドア愛好家にも人気が高い。

タコマの主な顧客がアメリカにいるため、アメリカ国内で生産すればサプライチェーンを短縮し、輸送コストを抑えることができる。さらに、アメリカ生産によって関税や通商政策をめぐるリスクを避け、コストと不確実性を低減できる利点もある。

李思斉