THE EPOCH TIMES

毒ギョーザの真相解明にネットユーザーが唖然 「どんな中国人になればよいのか?」

2010年03月28日 18時48分
 【大紀元日本3月28日】2年前に千葉と兵庫の両県で10人の被害者を出した中国製毒入り餃子事件で、中国新華社通信は26日、中国当局が投毒容疑で製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時職員の身柄を拘束したと報道した。翌27日、中国各紙は新華社の記事を相次ぎ転載。中国のネットユーザーらは、2年前に中国当局が断固否定したことと全く逆の結果を受けて、唖然とした反応を見せている。

 「事件の真相は明らかになったが、我々市民は分からなくなっている。我々は、どんな中国人になればよいのか?中国政府はどんな政府になればよいのか」と「夜色」と名乗るネットユーザーが掲示板に戸惑いのメッセージを書き込んだ。「当初、政府ははっきりと日本人がやったと言い張ったではないか? 下心のある海外の敵対勢力がわざとやったと主張していたではないか」

 同ネットユーザーは、2008年の事件発覚以降の中国メディアによる報道をまとめ、その経過を詳しく書き込んだ。

 事件発覚当初の2008年2月13日、中国国家品質検査総局の副局長・魏伝忠氏は、石家荘市公安局の情報として、製造元である食品工場の従業員が勤務条件に不満を持ち、「報復」した可能性があるとする共同通信の報道を全面否定し、「日本側の報道は憶測に過ぎない」と強く反発した。また、中国新聞社は同年3月3日に評論文を掲載し、「共同通信を含む日本メディアが『天洋食品工場の従業員による行為』と勝手に断定したが、事実、それは全くのウソであることが証明された。日中友好関係の敏感な時期に、日本社会や日本の人民をミスリードし、このような嘘のニュースを捏造する目的は、下心があるとしか思えない」と強烈に批判した。

 同じような論調は、2008年6月に製造元の天洋食品が事件後に回収した冷凍餃子を中国国内で横流しした結果、4人が中毒を起こした後も繰り返された。

 2年間の中国国内の報道を振り返り、同ネットユーザーは、「このような報道を見た結論はこうだ:三鹿粉ミルク(メラミン入りミルク製品)を飲めるのは中国人だけ。地溝油(工場などの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状の油を濾過し、精製した毒性のある食用油脂)で揚げたものを食べられるのも中国人だけ。中国は、大変調和(胡錦濤が提出した社会の安定を重視する理念)のある国だから、糞青(執拗な民族主義者または反日主義者のこと)国だからだ」と怒りをにじませた。

 2年前の事件発覚直後、ネットでは「反日」の書き込みが炎上したが、犯人が中国人だったと分かった日、中国各地の掲示板は不気味なほど静かだった。同事件についての書き込みは、以前とは逆に、中国政府に対する批判の声が主流となっている。中でも、「誰が尊敬してくれるだろうか?」という感想文が、多くの同調を得ている。

 「どうして政府が発表した情報は、いつも矛盾しているのか?国内にいる私たちは騙されやすいが、外国人にははっきりと見えている。真相が分かったら、彼らはどのような目で中国人を見るのか?嘘、暴力、詐欺に慣れている国家は、誰から尊敬を得られるだろうか。自国の市民さえも残酷に騙す政府と国家は、尊敬されない。自国の文化さえ愛さない民族は、人から尊敬されないだろう」と批判の矛先は当局に向かう。

 「不惑の禍」というネットユーザーはさらに、「政府が当初、日本メディアに謝ってほしいと言ったのと同様に、中国メディアも日本政府に謝るべきではないのか」と問い詰める。同ユーザーは1年前、中国外交部・楊潔チ部長の外国記者とのやり取りを分析し、「中国国内で投毒が発生した」という結論をネット上で発表したが、他のユーザーらに攻撃されたようだ。「愛国はいいことだが、事実を無視して自分の頭で考えもせず、逆に悪いことになってしまった。物事は、自分の頭で分析してほしい」と、同ユーザーは冤罪が晴れてすっきりとしたようだ。

 一方、当局による結果発表を受け、大半のネットユーザーは不信感を見せている。「またも臨時職員か。2年前、すでにその結果は分かっていた。臨時職員は消防士だから、火が出るところに回されるし、政治的なリスクにさえ晒されるのだ」など、投毒容疑者と発表された天洋食品の元臨時職員はただのスケープゴートであるとする見方がほとんど。

 つい先週も、貴州省テレビ局の女性記者が、免許証不所持で運転した豪華車の持ち主を取材したところ持ち主に殴られ、テレビ局が「女性記者は臨時職員であり、テレビ局と無関係」と発表する事件があったばかり。明らかに、テレビ局は豪華車の持ち主とのトラブルを避けたかったとみられる。「臨時職員」という言葉はネット上で流行し、スケープゴートの代名詞となっている。

 「悲しいことだが、政府の報道を信じる人はもういない。政府からの報道であれば、何であれ皆がこれは嘘だと気付いてしまう。政府の自業自得だから、仕方がない」と「狗剩」と名乗るネットユーザーが嘆く。

 これら政府に対する批判発言は、ネット上で削除されることなく、いまだに残っている。現在、ネット監視者らはグーグル事件の対応で急がしく、余裕がないからなのか。

 
(報道=趙MJ)


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