韓国軍、「停電爆弾」開発完了 北ミサイル基地の無力化が可能に
2017年11月02日 14時00分

韓国軍高層部によると新型の「停電爆弾」の研究はすでに完成し、予算が整えばいつでも生産を開始できる状態にある。カーボンなどの導電体を封入したこの爆弾は北朝鮮の電力施設にダメージを与え停電を起こすことができることから、北朝鮮の弾道ミサイルや指揮系統を無力化できるのではないかと期待されている。聯合ニュースがこのほど報じた。
「停電爆弾」はグラファイト爆弾とも呼ばれ、導電性の高い炭素繊維を内蔵した子爆弾の集合体からなる。動作原理はクラスター爆弾と似ている。投下後空中に散布された多数の子爆弾は一定高度で内蔵する導電体を高圧電線や変電施設にばらまき、電気系統をショートさせ停電を引き起こす。復旧には一定の時間を要し、物資が欠乏する北朝鮮にとっては致命傷となりうる。また、爆薬で破壊する通常爆弾と比べ人体にほとんど被害を与えないことも特筆すべき点だ。
この種の爆弾が北朝鮮の発電所に投下されれば12時間以上にわたり停電を引き起こすことができると試算されている。北朝鮮には7000以上の地下軍事施設があるとされるが、停電が発生すればそれらの基地も作戦指揮能力を失う。
「停電爆弾」はしばしば威力を発揮してきた。コソボ紛争時、NATO(北大西洋条約機構)軍は旧ユーゴスラビア陣営の目標にこの爆弾を投下し7割りの地域で停電を引き起こした。また湾岸戦争時、多国籍軍はイラクに停電爆弾を投下し85%の電力供給を遮断した。
(翻訳編集・文亮)
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