2019年3月、大気汚染に覆われるソウルの空を見つめる女性(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)
【米国思想リーダー】

自由の対価を知り...今を生きる=脱北者パク・ヨンミさんインタビュー(3/6)

※ 大紀元エポックタイムズで表明された内容や意見は、寄稿者の個人的見解です。無断転載を堅く禁じます。

13歳の時に母親と共に北朝鮮を脱出したパク・ヨンミさん。中国で人身売買の被害に遭い、共産党体制の国の腐敗や闇社会に直面する。現在は、米国で広がる左翼的思想に警鐘を鳴らし、自身が受けた抑圧の経験をもとに、人権活動家として「自由」を大切にするよう呼びかけ続けている。

中国共産党はメディアやインターネット空間、不動産、ITサービスなどあらゆる分野において民間企業の取り締まりを強化している。こうした個人の統制が強固な中国共産党は世界的に台頭しており、軍事力と経済力で米国の力に迫ろうとしている。

ヨンミさんは、米国が単独で、個人の自由のために戦うのは困難であり、価値観を同じくする日本や台湾、韓国、西欧諸国と連合を組むことを提案する。

米国は同盟国に忠実であるべきだと思います。正義の味方であることを示さなければなりません。私たちは神が定めた良い事や、正しい事をしていますか。神をどう定義するにせよ、近代化が進むにつれて、神を失いつつあるのは悲しいことだと思います。神は私たちに、道徳的であること、意識が高いこと、親切であること、思いやりがあること、そして強くあり続ける役割を与えて下さいました。しかし米国では、それが失われつつあると思います。

ヨンミさんは、北朝鮮に残る文化と米国にある文化のなかで、何が正しいのかを判別する視点を養うように努めているとも付け加えた。そして、神の信仰が大切であるとも語る。信仰が失われつつあることで道徳の低下が引き起こされることを危惧している。ヨンミさんには、自害さえ考えるほど生き難い中国の環境のなかで、宣教師たちと一緒にいた時に信仰心が芽生えた。いまはどの宗教にも属していないという。

宣教師たち、ヨンミさんたちが中国で生きるために仕方なくやったことに対して断罪した。それに対して、彼女は不寛容で理解がないと受け止めたという。しかし後になって、宣教師たちは、これまでに出会った中で、最も無欲な人々だという考えを持つようになった。中国にいながら命がけで北朝鮮の人々を救出していることには、感謝の念しかないと話した。

昨年、私は息子を出産しました。奇跡だと思っています。他にどう説明できるでしょうか。私は神が果たしている役割を、はっきりと理解しました。科学ですら物事の20%しか、分かっていないのです。神が私たちを創造したのかどうかも、はっきりと分かっていません。多くの謎は残されたままです。

私は仏教について、たくさん読みました。仏教では、痛みも苦しみもない世界があります。すべての苦しみは、自我と自己が生み出しているのです。ですから確実に、ある部分は解放されました。極端な宗教のように、独断専行するのはよくありません。しかし、より高いモラルや高みを追求することは、心を安らかにしてくれます。当初、私は無神論者でした。あらゆる種類の教義に反対していました。しかし今は、人々の心を開くような宗教を支持しています。

中国には北朝鮮人が30万人住んでいる。ヨンミさんによれば、金正日の時代に北朝鮮の北部では、何百万人もの人々が死亡した。ソ連崩壊に合わせて300万人~400万人とされる。それまで形容されていなかった北朝鮮から脱出した人について、「脱北者」という言葉の定義が流行したのも90年代だ。飢饉を逃れるために体制から脱出した人が増加したのもその頃だ。

ヨンミさんが脱北後の経験を海外メディアに伝え広めるのは、自身の親族にとって命の危険をさらすリスクになる。実際、母方、父方の両方の家族が罰を受けた。自身の活動が政権の脅威になることを、身を持って感じたという。

その時、私は自由の対価を真に理解したのです。自分の命を危険に晒していることにも気づきました。今でも私は金正恩の標的リストに載っています。韓国の諜報機関が何年も前に私に知らせてくれました。私の証言に対して、政権がそこまでするとは思いませんでした。

米国人が真の悪を認識できないのは、中国にある、本当の意味での闇を見たことがないからです。米国人たちは光の側にいて、良い環境の中で生きています。彼らは、あんなに酷いことが行われていることを理解できないでしょう。しかし私は、それを目の当たりにしました。信じられないほど残酷な政権なのです。

パク・ヨンミ

1993年北朝鮮恵山市生まれ。金正日政権のもと、市職員の父親と軍病院勤務の看護師の母親との間に生まれる。13歳のとき鴨緑江を渡り北朝鮮を脱出した。中国からゴビ砂漠を渡りモンゴルを経由して、韓国に亡命した。21歳のとき、ダブリンで開かれた人権イベント「ワン・ヤング・ワールド2014」で北朝鮮と中国における自身の壮絶な体験を語り世界に衝撃を与えた。

2015年、強権からの逃避行を綴った回顧録『 In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom(生きるための選択:北朝鮮の少女 自由への旅)を出版。2016年に米名門コロンビア大学に入学。北朝鮮や中国共産党の人権問題を中心に、米国を拠点に人権活動家として活動している。2018年から人権財団ヒューマン・ライツ・ファンデーションの理事を務める。

(つづく)

(米国思想リーダー「North Korean Defector Yeonmi Park on Communist Tyranny and ‘the Suicide of Western Civilization’」より)