2017年11月、北朝鮮の港湾に到着する中国から石炭を運ぶ船(Photo credit should read ED JONES/AFP via Getty Images)
【米国思想リーダー】

中国共産党の支援が断たれれば金体制は1日たりとも機能しない=脱北者パク・ヨンミさんインタビュー(2/6)

※ 大紀元エポックタイムズで表明された内容や意見は、寄稿者の個人的見解です。無断転載を堅く禁じます。

13歳で北朝鮮を脱出したパク・ヨンミさんは、山を越えて凍った川を渡り、中国へ渡った。しかし、中国で人身売買に遭う。苦痛から脱するためにモンゴル経由で韓国に亡命した。これまで脱北者のなかで、中国における残忍な北朝鮮人に対する虐待を公にした例はあまりない。

国際人権団体で演説したり、ニュース番組にも登場するヨンミさんだが、中国共産党の問題についても触れている。ヨンミさんは、北朝鮮体制は中国共産党による資金や兵器、石油などの支援がなければ1日たりとも機能することができず、ミサイルも発射できず、核実験もできないことを知った。

北朝鮮には石油がありません。中国が石油を提供してくれなければ、金正恩はベンツを運転することもできません。どうやって核実験をするのでしょうか。石油がなければやらないでしょう。中国がなければ、金正恩は存続できません。北朝鮮政権は現時点で、8年近く続いていますが、これは中国共産党のおかげなのです。この悲劇の責任が中国にあることを、人々は知りません。

もちろん部分的には、金正恩にも責任があります。しかし説明責任という意味では、中国の方が遥かに大きいと思います。中国がこの独裁政権を存続させています。また私たちを捕まえて、北朝鮮に送還しています。これは国際法のジュネーブ条約に違反しています。人類に対する犯罪なのです。

こうした北朝鮮の政権を維持している中国と、米国や諸外国がビジネスをしていることをヨンミさんは問題視している。主要な国際的企業はサプライチェーンの過程で中国との関係を持っている。

かつて米国にあった奴隷制度は明らかに間違っていました。だからこそ、北朝鮮で起きていることも、間違っているのではないでしょうか。もし現代の人が「奴隷制度はいけない」と言っているのなら、どうして北朝鮮のことを見過ごしているのでしょうか。誰もが自分に問いかけるべきです。中東にも奴隷市場があり、他の地域にも非常に多くの奴隷がいます。

FOX出演でペナルティ?


ヨンミさんは、米主要紙ニューヨーク・タイムズに取り上げられたことがある。彼女が事前交渉なしにトランプ大統領が金正恩委員長に面会したことを批判的に見ていたからだ。しかし、ヨンミさんは、同紙が北朝鮮人の苦しみや、中国における少女たちの人身売買には興味がないようだったと明かした。いっぽう、ヨンミさんが共和党支持層の視聴者が多いFOXニュースに出演した際、同紙からひどい批判を浴び、驚いたという。

右翼で保守的で、偏屈でナチス的な人々の、操り人形だと言ったのです。米国でこんな事があるとは思ってもいませんでした。FOXニュースへの出演にペナルティを与えたら、何か得することでもあるのでしょうか。

糾弾し合う文化は、北朝鮮と同じです。常に敵を糾弾し続けなければなりません。もし敵が侵入している兆候があれば、お互いに糾弾し、通報し続けるのです。米国ではその傾向が顕著です。互いの人間性を認めず、批判し合っています。

ヨンミさんは2年ほど前、影響力のある人物や専門家による講演プロジェクト「TED」で自身の北朝鮮における体験を語った。会場には有力者や技術者、企業関係者も集まった。ヨンミさんは、彼らに「テキサス州でイベントを開く」と伝えると、「テキサスに行くってどういうことだ」「トランプの国だから、絶対に足を踏み入れないで」と、言われたという。

テキサスも米国です。同じ国のはずです。世界で最も高い教育を受けた、パワフルな人たちが、こんなことをしているなんて、ナンセンスです。自分の国を破壊しているのに等しいのです。思考の多様性を認めなくなると、こうなります。それこそ北朝鮮のように、一つの考えしか認められないような国になってしまうのです。

米国が北朝鮮のように監視や通報、糾弾の嵐に覆われた環境になるのだろうか。ヨンミさんは「十分にありうる」と見ている。自身のYouTubeチャネルも検閲を受け、停止されたという。主要国のリベラル派や左翼勢力が加勢した女性権利運動MeTooが流行った時、ヨンミさんは中国共産党政権下の中国人女性たちの苦しみを動画で紹介した。すると、一時的な配信停止措置にあったという。

そのほか、米国民が銃を所有する権利の保護について記載された憲法修正第2条に関して意見を述べた動画も停止された。同法は、「規律のとれた人民の軍は、自由な国家を守るために必要である。このため市民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」とある。他国からの侵略が、国民の自由を抑圧する可能性があるから、国民は武器を持つ権利がある、という考え方だ。

ヨンミさんは、世界の警察であり自衛を含めた個人の武器所有を容認されるべきだと考えている。スターリンや金体制、中国共産党などの専制政権は、個人の力を最も恐れているために抑圧しているのだと指摘する。

例えば香港では75%の人が中国本土の一部になることを拒否し、街頭に出ました。大多数が一国二制度の維持を望んでいました。しかし誰も自衛権を持っていなかったので、中国共産党が占領してしまいました。

北朝鮮を考えてみてください。もし人口の30%~40%が銃を持っていたら、彼らは指導者を暗殺するでしょう。個人が自分の権利と自由を守る権利を持っていれば、独裁者の台頭を阻止するのに有効だと考えます。自由とは複雑で、単純ではありません。自由であることは大変だし、責任を伴います。


ヨンミさんは、自由とは脆く、大切にしなければ壊れてしまうと主張する。北朝鮮やキューバ、ベネズエラ、ナチス政権は、以前はそうではなかったとみている。いっぽう、情報操作により民主主義が悪用され、独裁者が選ばれてしまう皮肉もあると述べた。

ヒトラーは自国民から選ばれたし、最初はとても愛されていたのです。最終的には個人が判断し、人類の自由と抑圧の歴史を学ぶべきです。そして責任を持って投票するのです。そうでなければ、自由はいとも簡単に失われてしまいます。    

(つづく)

(アメリカ思想リーダー「North Korean Defector Yeonmi Park on Communist Tyranny and ‘the Suicide of Western Civilization’」より)