「Facebook、深刻な危機」米メディア17社、分析レポート掲載 内部文書を入手

2021/10/27
更新: 2021/10/27

Facebook(フェイスブック)を揺るがす内部告発事件は、波紋を広げている。米報道機関17社の連合体は22日以降、「The Facebook Papers(フェイスブック・ペーパーズ)」と題する一連のレポートを発表している。

元Facebookプロダクトマネージャーのフランシス・ホーゲン氏は5日、米上院の公聴会で証言し、Facebook製品が子供たちに危害を加え、社会の対立を深めていると非難した。同氏は、Facebookから持ち出した内部文書を米議会と証券取引委員会(SEC)に提出した。

フェイスブック・ペーパーズは、米メディア17社が入手した数千ページに及ぶFacebookの内部文書をもとに作成された。同レポートは10代の若者の間での人気低下、ヘイトスピーチへの不適切な取り扱い、保守派政治家への常軌を逸した検閲など、Facebookのさまざまな問題を取り上げている。

例えば、Bloomberg社やテクノロジーニュースサイトのThe Vergeによると、Facebookは10代のユーザーへの訴求力を失い続けており、その市場を取り戻すのに苦労しているという。

2016年米大統領選へのロシアの関与でFacebookへの批判が高まった際、幹部のタッカー・バウンズ氏が「議員たちの関心は数週間で他の問題に移るだろう。それまで目立たないように金儲けを続ければ問題ない」と語ったという。

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、Facebookの従業員は、特定の政治家や有名人の検閲に例外を設けないよう経営陣に求めている。

ワシントン・ポスト紙は3つの情報源をもとに、Facebookの共同創業者兼会長兼CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏が、ベトナム政府による反体制派への検閲要請を個人的に承認したと報じた。

AP通信は、Facebookが言語別の検閲機能を持っていないため、テロやヘイトスピーチなどの検閲に適切に対処できていないと報じた。

米NBCテレビは、Facebookがヘイトスピーチや誤報と闘うために十分な努力をしているかについての社内議論が、従業員の信頼を損ねていると報じた。

米政治専門サイトのポリティコは、Facebookが独占的な市場支配に関する調査を行ったと報じた。

CNNが25日に報じたところによると、フェイスブック・ペーパーズの報道は、Facebookの問題にさらなる光を当て、内部告発者の主張を補強するものとなっている。この内部告発者は、Facebookが虚偽の情報を広めることで利益を得ており、フェイクニュースを麻薬のように押し出すアルゴリズムに依存していると指摘した。

「Facebookは現在、17年の歴史の中で最も深刻で広範囲に及ぶ危機に直面している」とCNNは述べた。

(翻訳編集・王君宜)

関連特集: 米国