ゼロコロナで海外移民加速 中国人富豪1万人検討か

2022/07/22
更新: 2022/07/22

英投資・移民コンサルタント会社の調査によると、中国政府の厳格な「ゼロコロナ」政策と繰り返される封鎖措置に嫌気がさし、海外移民を考えている中国人富豪が急増している。

ブルームバーグは英コンサルティング会社のヘンリー・アンド・パートナーズ(Henley & Partners)の分析を引用し、中国の富豪1万人が海外移民を検討していると伝えた。

SNS微信(ウィーチャット)上では17日、著名経済学者の郎咸平氏の香港移住が大きな話題となった。ネットユーザーの投稿では、郎氏と家族は「永遠に上海市から離れることを決心した」。

台湾出身の郎氏は親中派として知られている。2004年に上海市に移り住み、SNS微博(ウェイボー)で1700万人のフォロワーを持つ。今年3月末に上海がロックダウンを実施後、同氏は当局の感染対策を支持する書き込みを行った。

だが、市の厳しい感染対策が原因で同氏の98歳になる高齢の母親が診察を受けられず、病院の外で亡くなった。

現在、中国の41都市でコロナ感染対策が実施されており、2億6千万人超が影響を受けている。上海の移民コンサルタントはブルームバーグに対し、「移住をためらっていた人々は、ようやく決心がついたようだ」と話した。資産の海外移転に関する問い合わせが急増しているという。

レストラン経営者の男性は、300万ドルの値段で2店舗を売却した。「中国で最も発展している上海でロックダウン中、食糧不足で餓死寸前だった。悲しいが、今が潮時だ」と海外移住を決意したという。

いっぽう、当局は海外移民の動きを阻止しようとしている。移民に詳しい弁護士らの話では、過去数カ月、中国政府はパスポート交付期間を延長しており、書類審査をさらに厳格化している。

 

張哲
張哲
関連特集: 中国