検死解剖結果が示す ワクチン接種が死亡原因の高い可能性 = 研究

2022/12/19
更新: 2023/01/14

新型コロナウイルスワクチンに関連する重篤な副作用は、死に至る可能性があることが、新しい研究で示された。

ワクチン接種後の心筋炎(心臓の炎症の一種)が、新型コロナウイルスワクチン接種後から20日以内に自宅で「予期せず」死亡した人たちの一部で確認された。研究者たちは、この人たちに対して行われた剖検を分析し、組織サンプルを研究するなど、さらなる調査を行った。

研究者たちは35人のグループについて調査をスタートしたが、他の死因が特定された10人を分析から除外し、残りの25人について調査を進め、そのうちの5人に心筋炎の証拠が確認された。

この5人は全員、死亡前の7日以内にモデルナかファイザーのワクチンを受けており、平均は2.5日で、年齢の中央値は58歳だった。ワクチン接種前に新型コロナウイルス感染症に感染していた人はおらず、鼻腔スワブによる新型コロナウイルスPCR検査も陰性だった。

検死剖検の結果、他の死因の証拠が欠如していることと、ワクチン接種が死の直前に行われたことなどから、研究者はこのうち3例について、ワクチン接種が心筋炎の「原因と考えられる」もので、心疾患が「突然死の原因である」と述べた。

他の1例では、心筋炎が死因と考えられたが、研究者はヘルペスウイルスを検出したため、心臓の炎症発生のもうひとつの説明となりうるため除外した。残りのケースは、心筋炎の別説明はないものの、研究者は、炎症の影響は 「離散的で、主に心膜脂肪に観察された」と述べた。彼らは、この2つの症例をワクチン接種が原因である可能性があると分類した。

「一般的に、心筋炎と新型コロナウイルスワクチン接種の因果関係は、いくつかの考慮事項によって支持される」と研究者は述べている。「ワクチン接種との密接な時間的関係」、「他の重大な既存心臓疾患がない」、そして「心筋炎を引き起こす感染因子」の陰性検査などが挙げられる。

制限事項として、「疾病の要因と発症の関連を調べるための観察対象が小さいサイズの集団であること」も含まれていた。

この研究(pdf)は、11月27日にClinical Research in Cardiology誌に掲載された。研究者らは全員ドイツのハイデルベルク大学病院に勤務している。彼らは、ドイツ当局から資金提供を受けている。

モデルナ社とファイザー社にコメントを求めたが現時点で応じていない。

米国ロードアイランド州に拠点を置く心臓専門家のアンドリュー・ボストム博士は、「この研究は予防接種以外に可能性のある原因を綿密に除外した。よって、これらの症例が「氷山の一角」であることを示している」とエポックタイムズに語った。

「一見健康そうに見える人が寝ている間に突然死んだ場合、基本的に、これらは典型的な検死解剖される症例で、そして、明らかに最も一般的な所見は、ある種のアテローム性冠状動脈性心臓病である。しかし、この研究では、これらの症例は基本的に除外されている。そして、最も妥当な近因はワクチン接種であると結論づけた。したがって、この現象は、これまで疑われてきたよりも広範囲に及ぶ可能性があることを示唆している」と同博士は述べた。

 

心筋炎

心筋炎は、胸の痛みとして現れる重篤な心臓病であり、通常、患者は病院の治療を受けることになる。

通常、医師は一定期間、すべての、あるいはほとんどの身体活動を控えるよう助言する。

原因としては、細菌、ウイルス、発熱などが挙げられる。

急性心筋炎は最初の2〜4週間で約半数の症例が治癒するが、4分の1は長期的な問題を抱え、残りの多くは死亡または心臓移植に至ることが研究者らによって明らかにされている。

新型コロナワクチン接種者の心筋炎発生率は予想以上に高いことが、米国、イスラエル、その他の国々の研究者により明らかにされた。最も高い発生率は若者、特に若い男性で検出された。

典型的な心筋炎の発生率は、7日以内に100万人あたり0.2〜2.2人と推定されている。ワクチン有害事象報告システムへの報告によると、5歳から49歳の男性、12歳から29歳の女性で高い発生率が確認されている。最も高い発生率は、2回目の投与100万人あたり75.9人だった。同システムへの報告は因果関係を証明するものではないが、調査によれば、同システムは深刻な過少報告に悩まされており、この割合はさらに高い可能性がある。

米疾病対策センター(CDC)は、生後6カ月以上のほぼすべての人にワクチン接種を推奨し続けており、ワクチンの利点はリスクを上回ると主張している。しかし、専門家の中には、心筋炎のような副作用があるため、ある年齢層ではリスクが高くなると述べた。

政府関係者は、心筋炎のほとんどは数週間で治ると繰り返し言っているが、ワクチン接種後の心筋炎を経験した若者の多くには、数ヵ月後のMRIの結果にまだ異常があることをCDCの研究者は9月に発見している。

ワクチン接種後に死亡した人の剖検結果や、さまざまな研究を公表しない米国当局によると、高齢者での発生率はかなり低いという。

フロリダ州保健局に助言する疫学者のトレーシー・ホーグ(Tracy Høeg)博士はツイッターで、「新しい研究は、私たちの研究では重度の心筋炎の症例を見逃していたことを示唆している」と述べた。

 

因果関係

いくつかのワクチンが心筋炎およびその関連疾患である心膜炎に関連している。それらはモデルナ社とファイザー社によって製造され、米国とドイツで最も広く投与されている2つのワクチンだ。

両方のワクチンともメッセンジャーRNA(mRNA)技術を利用している。

因果関係とは、ワクチンがある症状を引き起こすということを意味する。

CDCのトップ研究者は、現在のところ、mRNA投与と心臓の炎症との間に因果関係があることを示す証拠があると述べている(pdf)。他の研究者もそのような結論に達している。

米国食品医薬品局(FDA)は、ワクチン接種者に対し、「市販後のデータは、特に2回目の接種後7日以内に心筋炎と心膜炎のリスクが増加することを示している」と警告を発した。

ボストム博士は、「医学の世界で確認されているほとんどの関連性と同じくらい確かなことだ」とし、同博士がレビューした証拠は因果関係を示していると述べた。

いくつかの研究では、新型コロナウイルスワクチンは心筋炎や心膜炎のもうひとつの別の原因であるとされている場合もある。また関連性がない可能性があると指摘している他の研究もある。

 

その他の剖検所見

今回のドイツの研究以前にも、世界中の他の研究者が、ワクチン接種後に突然死亡した人々の剖検結果を報告していた。

2021年、米国の研究者が新型コロナワクチン接種後2週間以内に成人2名が心筋炎を発症し、ワクチン接種以外の原因を見つけることができなかったと報告した。

2021年、韓国の研究者は、ファイザー社製ワクチンを接種した5日後に死亡した22歳の男性の死を調べた結果、主な原因はワクチンと因果関係のある「心筋炎」であると断定したと報告した。

1月に、ニュージーランドの研究者は、57歳の女性を死に至らしめた突然の心筋炎は、おそらくファイザー社製ワクチンに起因すると報告し、「他の原因は合理的な確信を持って割り引かれている」と書いた。

2月には、米国のいくつかの州の研究者が、死亡した2人の10代の少年の主な死因は、ファイザー社製ワクチンの接種直後に起こった心臓の炎症だと報告した。

5月には、CDCの研究者が、ある少年がワクチン接種後に心臓の炎症を起こして死亡したと報告し、死因として心筋炎を指摘した。

9月には、ドイツの研究者が、ファイザー社製ワクチンを接種してから4か月後に死亡した55歳の男性が心筋炎で死亡したと報告し、「これらの知見は、心筋炎、およびスパイク誘発遺伝子ベースのワクチン注射後の血栓塞栓事象が、コード化された薬剤に対する有害な免疫反応と因果関係があることを示している」と述べた。

そして、つい最近、日本の研究者が、ワクチン接種後の入院から28日後に死亡した27歳の男性の結果を報告した。
 

The Epoch Timesで米国および国際ニュースを担当。拠点は米国メリーランド州。