「強力な神経毒」チメロサール、未だインフルワクチンに含有=科学者

2023/09/23
更新: 2023/09/23

20年以上前、あまり知られていなかった水銀を主成分とするチメロサールが、ワクチンの保存料として米食品医薬品局(FDA)から認可された。それ以来、多くの保護者や様々な科学的研究が、学習障害や自閉症といった神経学的・発達学的障害の原因がチメロサールにあるのではないかと疑問視してきた。

1999年7月、米国の保健機関と米国小児科学会は、ワクチンからのチメロサールの除去を指示した。

しかし、今シーズン推奨されているインフルエンザ・ワクチン(妊婦、乳児、小児用を含む)には最大25マイクログラムのチメロサールが、また複数回接種可能なバイアル・ワクチンの一部には未だチメロサールが含まれている。

児童健康防衛社(Children’s Health Defense)の最高科学責任者であり、生化学工学の博士号を持つブライアン・フッカー氏はエポックタイムズ紙の取材で次のように語った。

「米疾病予防管理センター(CDC)は2001~03年にかけて、HepBワクチン、HiBワクチン、DTaPワクチンの保存料としてのチメロサール使用を自主的に段階的に廃止した。しかし、同時期にインフルエンザの予防接種を通じて、出生前や幼児/児童のワクチン接種プログラムに再び導入された」

「2004年にCDCは、水銀を含むインフルエンザワクチンを妊娠後期で接種できると示唆した。つまり、発育中の胎児が25マイクログラムの水銀に曝される可能性があるということだ」

チメロサールとは?

チメロサールとは、ワクチンの保存料として1930年代から使用されている水銀化合物だ。チメロサールは体内で代謝されて約50%が「エチル水銀」になり、主に脳と腎臓に蓄積する。

環境保護庁(EPA)によると、水銀は地殻の岩石に含まれ環境中で天然に存在する化学元素だが、水銀の暴露を受けると脳、心臓、腎臓、肺、免疫系に害を及ぼす可能性がある。しかし、米国保健機関は、ワクチンに含まれるチメロサールは安全としている。

チメロサールの毒性

水銀や、メチル水銀、エチル水銀、チメロサールなどの水銀化合物は、長い間、腎毒性および神経毒性があると考えられてきた。

水銀は「強力な神経毒であり、接触すると(脱髄を介して)神経細胞を破壊する」と前出のフッカー氏は言う。

ほとんどのワクチンからチメロサールが除去される前は、米国で認可された30種類以上のワクチンに保存料としてチメロサールが含まれていた。子供たちは生後6か月までに、ワクチンから200mcgのエチル水銀を摂取したと推定されている。この値はEPAの推奨値をはるかに上回っていた。

CDCは「チメロサールは体内から容易に排出される」「体内に長時間留まることはない」「チメロサール含有製品の医薬品としての使用は『非常に安全』である」と述べているが、これは、チメロサールが有害であることを一貫して発見してきた独立科学者による75年以上にわたる研究と矛盾する。

「水銀は地球上で自然に存在する2番目に有毒な元素だ。それがワクチンの添加物として含まれるなんて、考えられない」とフッカー氏は言う。

米国医学研究所が設立した予防接種安全性検討委員会が発表した論文によると、チメロサールは、投与されるとすぐにチオサリチル酸から解離し、血液やその他の組織に結合する。

神経薬理学者でチメロサールの専門家であるリチャード・デス氏によれば、有機水銀の毒性は、放出された無機水銀の滞留によって、特に脳の組織内に何年も残る可能性がある。同氏は、チメロサールが脳内に侵入しないことを根拠に安全であるという考えは「明らかに誤り」だと言う

神経発達障害との関連

CDCはウェブサイトで「多くの研究から得られたデータは、ワクチンに含まれる低用量のチメロサールによる害の証拠を示していない」と述べているが、CDCの研究を含む何百もの研究が逆の結果を示している。ある研究では、CDCの疫学者がVaccine Safety Datalinkのデータを分析し、乳幼児期にチメロサールにさらされることで自閉症のリスクが7.6倍上昇することを発見した。

自閉症と診断された子供を持つ5600家族の親が、チメロサール含有ワクチンの接種後に子供が自閉症になったと主張し、全米ワクチン傷害補償プログラム(National Vaccine Injury Compensation Program)に補償請求を提出したことがある。2007~08年にかけて開催されたオムニバス自閉症会議(The Omnibus Autism Proceedings)では、これらの請求が調査された。

また、CDCのデータを用いた2004年の比較研究では、MMRワクチンとチメロサール含有小児用ワクチンの水銀が自閉症の有病率に及ぼす影響を評価した。その結果、チメロサール含有ワクチンの水銀投与量が増加すると自閉症が発症する「統計的に有意なオッズ比」が見つかった。

研究者らは、この結果は、チメロサール含有ワクチンの水銀投与量の増加と神経発達障害との間に直接的な関係があることを示す「生物学的妥当性と疫学的証拠」を示す他の研究と一致しているとした。

チメロサールが神経発達障害に関連する可能性のある研究とは別に、米保健機関は、チメロサールとワクチンに含まれる他の重金属(アルミニウムなど)との相互作用や、これらの成分を含むワクチンを子供に複数回接種した場合の累積的影響についても十分な研究をしていない。

エポックタイムズはCDCにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

弁護士、調査ジャーナリスト。政治学に関する経歴を持つほか、栄養学と運動科学の資格を有する伝統的な自然療法士でもある。