日米韓、団結して北朝鮮のミサイル脅威に対抗

2023/09/29
更新: 2023/09/29

ミサイル防衛データのリアルタイム共有など、日米韓の間における防衛関連情報の通信体制を強化することで、北朝鮮のミサイル脅威に対する抑止力の向上を図ることが可能となる。 これを3か国の合同防衛演習と組み合わせることで、北朝鮮と中国の武力による一方的な現状変更の試みの抑止について、さらに強力なメッセージを送ることができると専門家等は指摘する。

長年にわたり、日本と韓国はそれぞれ米国と条約同盟を締結している。 2023年8月中旬に米国で開催された日米韓首脳会議の声明によると、岸田文雄首相、尹錫悦韓国大統領、ジョー・バイデン米大統領は北朝鮮関連のミサイル警戒データをリアルタイムで共有すること、 また能力と連携の強化を目的として、三国間マルチドメイン軍事演習を実施することで合意している。

ランド研究所の日本防衛アナリスト、ジェフェリー・ホーナング博士の見解では、これは北朝鮮と中国に対する明確な意思表示となる。

ホーナング博士はFORUMの取材に対して、「これで日米韓が同一線上に揃ったことから、中国と北朝鮮にとっては最悪の悪夢となる」とし、 「もし私が中国や北朝鮮の国防計画立案者だったら、もはや3つの国の軍隊それぞれに個別に対峙している状況ではなくなったことを認識し、自国の計画を見直すと思う。 ここでさらなる調整を行える可能性もある」と語っている。

日本と韓国は2016年に日韓秘密軍事情報保護協定を締結している。 2022年6月には両国は北朝鮮のミサイル脅威に対抗するため、条約のさらなる実施に期待を表明した。

「韓国は膨大な数の陸上センサーを設置している」と語るホーナング博士は、 「物体が発射された場合、最も早くそれを検知できるのは間違いなく韓国である」と述べている。

韓国のデータを日米の衛星で収集された情報と合わせて三角測量を行うことで、日米韓はミサイルの軌道と脅威レベルを探知・分析し、必要に応じて撃墜する能力を強化できる。

3か国間でデータ共有と防衛調整を図ることで、偵察体制も強化できる可能性がある。

ホーナング博士は、「発射されたミサイルや正体不明の船舶の検知か、または単に北朝鮮の技術を把握することが目的かに関わらず、3か国が相互に支援し合うことが可能になるという点で運用地点が重要な側面になると考えられる」とし、 「たとえば、ミサイルが地上発射装置からのみ発射されるのか、潜水艦からも発射されるのか、そうであればその潜水艦がどのくらい離れた地点にいるのかといった事柄である」と話している。

同博士の見解によると、今後の三国間防衛演習は2023年8月中旬に実施された日米韓の海上弾道ミサイル防衛警戒実験の成果如何となる。 データ共有能力を着実に実証し、3か国間の相互運用性を向上させるには、ミサイル攻撃を模擬した最新の演習モデルを適用することが「極めて重要」となる。

Indo-Pacific Defence Forum