来秋に迫る2024年米大統領選挙。民主党では81歳のバイデン大統領の年齢を不安視する声が強まっている。こうしたなか、元国務長官のヒラリー・クリントン氏が民主党有権者の上位候補に挙がっていることが世論調査で明らかになった。

ハーバード大学と調査会社ハリスは11月15日〜16日にかけて、約2900人の有権者を対象にした世論調査を実施。それによると、バイデン氏が出馬を断念した場合、民主党候補としてクリントン氏を選ぶと回答した人は13％に上り、首位のカマラ・ハリス副大統領（24％）に次ぐ数字だった。

米史上最高齢の大統領であるバイデン氏が再選すれば、2期目の開始時に82歳となり、記録をさらに更新する。調査では、約7割の有権者が「歳をとり過ぎている」と年齢を不安視し、大統領として「相応しくない」と回答した。

調査には、トランプ氏とクリントン氏の対決に関する質問はなかったが、トランプ氏とハリス氏の直接対決となった場合、トランプ氏が52％対41％で圧勝すると予測した。

好感度では、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏（52％）がトップに躍り出た。2位はトランプ氏（51％）で7位のヒラリー氏（44％）を大きく引き離した。

トランプ支持者の「脱洗脳が必要」

トランプ氏とヒラリー氏は2016年大統領選で対戦したが、犬猿の仲として知られる。これまでも両氏はつばぜり合いを繰り返してきたが、最近ではヒラリー氏によるトランプ支持者の「再教育」を求める発言が物議を呼んでいる。

ヒラリー氏は10月の米CNNのインタビューで「トランプ過激派は信頼のないトランプ氏から命令を受けている」と発言。

「彼は今、民事訴訟と刑事訴訟で自分自身を守っている。支持者らはいつ彼と決別するのか？　ある時点でカルト教団のメンバーを脱し、”洗脳”から解かれるべき」と述べた。

トランプ選挙陣営は後日声明を発表し、ヒラリー氏の発言に反論した。

「トランプ大統領はいつもこう述べている。彼らがトランプ氏自身を攻撃するのは、彼らが成し遂げようとすることに、立ちはだかる存在だからだ。クリントン氏の発言は、それが真実であることを物語っている」

トランプ陣営はヒラリー氏の”洗脳”との例えを逆手に取り、民主党こそが”再教育キャンプ政策”を米国で実施していると揶揄した。「2024年11月、ドナルド・トランプが第47代大統領に就任するとき、何千万人もの米国人が民主党の再教育キャンプのアジェンダを拒否することになるだろう」と強気な姿勢を見せた。