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トランプ大統領「中国共産党との接触はニクソンの失策」―米中関係と関税政策の行方

2025/05/06
更新: 2025/05/06

アメリカのトランプ大統領は、「中国共産党との接触はニクソンの最悪の決断」と断言し、高関税政策によって米中貿易を遮断したうえで、公正な合意の必要性を訴えた。

5月4日、トランプ大統領は、エアフォースワンの機内で関税問題について語り、中国との公正な合意の必要性を強調するとともに、「中国との接触は、ニクソン元大統領の最悪の決断だった」と明言した。

同日、機内でトランプ大統領は、米中貿易の現状について次のように述べた。「いま我々は中国と全く取引していない。なぜなら、関税が非常に高く設定されているため、中国側は、基本的にビジネスを展開できないからだ。これにより、我々は数十億ドルを節約している。分かるか?」

中国共産党を交渉の場へと引き出すため、トランプ大統領は、中国製品に最大145%の関税を課し、両国の貿易関係を実質的に遮断した。

「私は、中国と公正な合意を結びたい。中国は、長年にわたり我々に、不当な要求を続けてきた。したがって、何らかの対抗措置を取る必要があるかもしれない。分かるか、少し報復するのだ。中国は長年我々をゆすってきた」と、トランプ大統領は語った。「私の見解では、これはアメリカの元大統領であるリチャード・ニクソンが行った最悪の行為であった。もう一度言うが、彼が中国共産党との接触へ我々を導いたのだ」と続けた。

1972年に、ニクソン元大統領は中国を訪問し、中国共産党政権成立後、初めて中国を訪れたアメリカ首脳となった。その訪問は、米中両国の長期的な断絶と敵対関係に終止符を打つ契機となり、「氷を破る旅」として知られた。この訪問を機に、両国の接触時代が始まり、1979年には米中両国が正式に国交を樹立した。

国交樹立後、米中は、二国間貿易協定を締結し、アメリカは中国に最恵国待遇を与え、中国のWTO加盟の基盤を築いた。2001年には中国が正式に世界貿易機関(WTO)に加盟したが、近年アメリカ政府は、中国共産党がWTOの原則を順守していないと批判した。

現代の米中関係とアメリカの対中政策

2020年7月、当時のアメリカ国務長官ポンペオ氏は、カリフォルニア州ヨーバリンダのニクソン図書館で演説を行い、「我々が進めてきた接触政策は、ニクソン大統領が期待したような変化を中国にもたらさなかった」と述べた。ポンペオ氏率いる国務省は、数十年に及ぶ対中接触政策が失敗に終わったとの結論を下した。

4日、トランプ大統領は、アメリカが中国を含む複数の国と貿易協定を協議中であり、その中でも中国との公正な合意の実現を最優先事項と位置付けたと述べた。

また、大統領は、他国との貿易協議にも言及し、今週中に、貿易協定の発表を行う可能性について問われると、「非常に可能性が高い」と答えたが、具体的な内容には触れなかった。

加えて、アメリカは、一部の国々との合意が困難になると予測しており、今後2〜3週間以内にこれらの国々に「一定の関税」を課す可能性を示唆した。トランプ大統領が言及した関税が、4月2日に発表された相互関税を指すのかは不明であるが、これらの関税は、90日間の猶予期間を経た後、7月8日に発効する見通しである。

張婷