洋上風力発電の導入を加速させるための法律の改正案が、6月3日の衆議院本会議で賛成多数により可決・成立した。今回の改正法は、今年4月に参議院本会議ですでに可決されており、衆議院での採決を経て成立したものである。
改正された法律は、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」の一部を改正するものだ。これまで日本の領海や内水に限られていた洋上風力発電の設置許可制度が、排他的経済水域(EEZ)にも拡大されることになる。EEZとは、日本の沿岸から約200海里(約370キロメートル)までの水域で、資源開発などについて日本が一定の権利を持つ海域である。
改正法では、政府が自然環境に適した地域を指定し、発電設備を長期間設置したい事業者から計画案の提出を求める仕組みが導入される。計画案は、漁業者など関係者との調整が行われ、基準を満たしていると認められた場合にのみ設置が許可される。区域指定にあたっては、海洋環境の保護を考慮し、必要な調査を実施することが定められている。
この改正により、政府は2030年までに1,000万キロワット、2040年までに3,000万~4,500万キロワットの洋上風力発電の案件形成を目標としている。洋上風力発電は、2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化において重要な役割を担うとされている。
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