中国・北京の裁判所の職員が巨額の資金を着服したあと、家族と共に日本に逃亡した。香港の新聞「星島日報」の電子版が5日、中国メディアの記事を引用して報じた。
着服した人物は「第3中級人民法院」(地方裁に該当)の職員で、着服した金額は計1億3000万元から3億元(26〜60億円)に達するとみられている。
職員の恋人が友人に話したことから着服が発覚したという。職員は先月の中国の大型連休を前に日本に逃亡し、現在は行方が分からない。
中国では過去にも司法機関関係者による汚職や着服事件が報道されているが、日本への逃亡は比較的まれだ。
ギリシャは「ゴールデン・ビザ」制度を運用しており、一定額の不動産投資などで永住権や市民権の取得が可能であるため、職員は「ギリシャ国籍の外国人」として日本に滞在している可能性がある。
日中間には犯罪人引き渡し条約がない。そのため、中国当局が身柄を求めても、日本側は法的に引き渡し義務を負っていない。中国当局からの訴追を回避するため、第三国籍を持つことで外交的保護を受ける狙いがあったと思われる。
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