【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

習近平脳卒中で救急搬送か 張又侠がクーデターに成功?

2025/10/12
更新: 2025/10/12

中国共産党(中共)党首の習近平が再び脳卒中で緊急搬送されたことが報じられ、張又侠(ちょうゆうきょう)副主席によるクーデター説が浮上する中、中共の第20期4中全会を前に指導部の権力闘争が激化している。最新の党および軍の動向、今後の中国政局の行方を詳しく解説する。

数日前に、中共軍事委員会副主席張又侠によるとされる「五つの発言」がネット上で拡散し、軍内部でも大きな話題となった。その中で最も注目された内容は、「習近平が退陣しなければ軍に混乱が起こり、自身でもその状況を制御できなくなる」というものである。

最新情報によると、習近平は突如脳卒中を発症し、病院に緊急搬送されたとの報道も出ている。

習近平が本当に脳卒中を起こしたのか、それとも軍による退陣圧力の中で「脳卒中を発症したことにされた」のかは、現時点では不明である。

今回の「紀元焦点」では、指導部権力闘争の最新局面を報じる。

習近平脳卒中報道の真相と拡散経緯

10月9日、習近平が脳卒中を発症し、病院に緊急搬送されたという驚くべきニュースがインターネットを駆け巡った。最初にこの情報を公にしたのは元内モンゴル自治区政府法律顧問室執行主任・杜文氏である。

杜文氏は北京時間10月9日午後7時頃、自身のYouTube番組で突発的なニュースとして報じた。彼によると、中共内部関係者から突然情報提供があったとのことで、習近平は当日北京で脳卒中を発症し、極めて危険な状態にあり、現在は緊急救命処置を受けているとされる。また、北朝鮮を訪問中だった中国国務院総理・李強も緊急帰国を命じられたと伝えられている。

杜文氏は、現時点で入手した情報は単一のルートからのものであり、独立した確認は取れていないと述べている。事件の性質上、重大事態に発展する可能性もあるため速報として伝え、今後の検証を待ちたい意向を示した。

この情報発信が瞬く間にネット上で議論を呼び起こした一方、報道の内容自体は多くの時評家にとっては想定範囲内であるとの声もあった。

これまで何度も「胡錦濤は党の顔を守る目的で党内闘争を公にしない方針を貫き、習近平自身による健康上の辞任を望んでいた」と番組では報じてきた。

軍側では、張又侠が第82集団軍を指揮して北京を包囲した上で習近平に退陣を迫っているともされ、四中全会で健康上の理由による辞任を発表させ、退陣を引き延ばす機会を与えないことが狙いとみられる。

このような展開では、習近平が健康理由による辞任文書を作成する場合、「突発的な健康悪化による緊急入院」がその演出として前段階を担うとの見方もある。

当然ながら、現時点で習近平が脳卒中による緊急入院を実際にしているかは外部から確認できない状況である。ただし、張又侠の「五つの発言」がネット上で拡散され、「習近平が辞任しなければ軍が動乱を起こす」という強い警告が飛び交っている中、「習近平脳卒中」のニュースが続いたことは絶妙なタイミングであるとの意見もある。

張又侠「五つの発言」の影響は予想を大きく上回っている

評論家の山河東夫氏は10月6日、自身のYouTube番組で、張又侠と軍の大将劉源が最近、前党首胡錦濤と元総理温家宝を訪問し、前副総理汪洋や胡春華を集めて習近平の去就と今後の極端な事態について協議したと暴露した。会談では張又侠による「五つの震撼発言」が現在の党内情勢に直撃する内容だったとされる。

10月7日、「紀元焦点」番組では山河東夫氏の新たな暴露をもとに関連特集を制作した。要約すると、張又侠の「五つの発言」の核心は一つ――習近平が退陣を拒否すれば軍が制御不能となり、張又侠でも抑えきれず中国国内で内戦が発生する可能性があるという警告である。

番組ではさらに、張又侠ら反習派と習近平派による緊迫した対峙構造を分析し、反習派が直面するジレンマについても触れた。加えて、軍上層部に対し「陳橋兵変(中国史上、趙匡胤によるクーデター)」を参考にすべきとの提案もあり、党の団結という虚構に縛られることなく、生死の分かれ目となる局面では何よりも権力掌握の成功を最優先すべきとの見方も示された。

番組は動画だけでなくウェブサイト記事も配信しており、張又侠による「五つの発言」は多くの記事を通じてインターネット上で急速に拡散している。

さらに、元中共海軍中佐の姚誠氏も、この「五つの発言」がすでに中国軍内部に広まり強い反響を生んでいることを確認した。

張又侠の「五つの発言」と軍内部の動揺

10月9日、元中共海軍中佐参謀の姚誠氏が自身のYouTube番組にて、「本日、ほぼ99%確定したニュースがあるので、皆さんにお伝えしたい」と語った。

姚誠氏によれば、数日前からネット上で拡散している「張又侠の五つの言葉」に関し、当初は噂にすぎないと考えていたものの、中共軍内部で非常に大きな反響を巻き起こしているという。軍関係者とのやりとりや、複数のグループチャットを確認した結果、この話題で軍内が持ちきりである状況がうかがえた。

中でも注目されたのは「もし習近平が中央軍事委員会主席を退任しなければ、軍の統制は不可能であり、軍がいかなる行動を取ろうにも、習近平は制御できず、何も為し得ない」との一節である。

姚誠氏は「張又侠の発言は核心を突いている。なぜこの話が軍の内部まで広まったのかは判然としないが、インターネット時代で情報拡散が容易である現状を考えれば、不思議ではない。特に習近平による軍統率に対し、軍内部の反発は極めて強い。張又侠の発言は現実を的確に捉えている。もし習近平が引き続き軍事委員会主席の座にとどまるならば、軍はもはや従わず、内部の強硬派が動き出し、軍の安定が損なわれる可能性が高い」と指摘した。

また姚誠氏は、「習近平が党総書記を辞するかどうかは私には判断できず、結論も出せない。ただし本日、一つの結論だけはいえる。それは習近平が軍事委員会主席の職にとどまることができなくなったということである。彼は病気を理由に辞任することになるだろう」と述べた。

「現在、軍全体がそれを待ち望んでいる。軍は現状、ほとんど身動きが取れず、ただ習近平の退陣を待っている状態だ。彼が辞任した後に新たな軍事委員会体制が樹立され、軍事委員会拡大会議が開催されて初めて軍は正常な軌道に戻るだろう」と続ける。

さらに、「習近平自身、自らの置かれた立場を理解しており、強引に権力を維持し続ければ、自ら悲劇的な結末を招くことを知っているはずだ。したがって、自発的に軍事委員会主席を辞任し、4中全会への出席もせず、辞表を提出する意向ではないか」とも語った。

姚誠氏は「習近平の退陣は、軍のみならず、国家、さらには国際社会にとってもプラスである」と総括した。

習近平二度目の脳卒中、独裁体制の崩壊か、天の意志なのか、民意によるものなのか

ここで、習近平の脳卒中について考察する必要がある。明らかに、これは彼にとって初めての脳卒中ではないが、おそらくこれが最後となる可能性が高い。

昨年7月に開催された中共第20期三中全会の最中、習近平は突然脳卒中で倒れ、緊急搬送された。その際、張又侠副主席と劉源が即座に胡錦濤元国家主席および温家宝元首相に連絡し、迅速に習近平の軍権を掌握したとされる。

その後、張又侠率いる軍部と温家宝が束ねる長老派は、習近平派と激しい主導権争いを繰り広げ、軍・党・行政、経済政策、外交など各分野で激烈な権力闘争が展開された。

昨年7月以降の約1年間で、中共軍内部では文化大革命以降最大規模となる高級将官の粛清が進行した。軍事委員会副主席の何衛東、軍事委員会委員の苗華、東部戦区司令・林向陽および政治委員の劉青松、西部戦区司令・汪海江、中部戦区司令・王強と政治委員・徐徳清などが次々と失脚、または行方不明となった。いずれも習近平の側近といえる人物であり、これらは張又侠による徹底した一掃の結果である。

今年5月には、習近平が温家宝の主導で洛陽に赴き、反省を命じられた。滞在中、温家宝の調整によって習近平と張又侠がビデオ通話で対話し、習近平は張又侠に謝罪した。張又侠は習近平の母・斉心の情を慮り、習近平の身の安全は保証すると約束した。

この会談のなか、温家宝の説得で汪洋が登場し、中共代理総書記の就任を承諾したとされる。こうして「習近平退陣・汪洋就任」という4中全会に向けた人事の基本枠組みが固まった形だ。

その後、温家宝ら長老グループは「党中央決策協議調整機構」と題する臨時の最高指導機関を設立し、6月末に正式発足させた。これにより、党中央政治局常務委員会の権限は事実上、新組織に移行し、温家宝が実権を掌握、汪洋が日常業務を担うこととなった。

習近平はその後も公の場に姿を現し続けているものの、権力喪失の兆候が徐々に強まった。9月3日の軍事パレードでは、習近平を迎えるパレードの総指揮官の階級が中将に下げられ、張又侠が上将の参加を禁じたことで意図的に習近平の軍事パレードのランクが引き下げられたとされる。

また天安門の観覧席では、張又侠が最も高い地位にある指導者らと同じ列に座っており、実質的な権力保持者としての立場を内外に示した。張又侠は名目上は軍事委員会副主席だが、実際には軍権を一手に握り、軍事委員会主席並みの権限を行使している。

一方、党の多くの中央委員は依然として習近平派であり、「巻き返し」を狙う習近平を中心に4中全会を前に指導部内部の権力闘争は続いている。

最新の報道によれば、習近平は6人の政治局常務委員を伴い胡錦濤を訪れ、政権維持の協力を要請したが、胡錦濤は面会を拒否し、汪洋を通じ「八つの言葉」を伝えて習近平の望みを明確に断ったという。

現在、習近平は北朝鮮訪問を果たせず、温家宝が李強を代理として朝鮮労働党80周年記念式典に派遣した。習近平本人は国内でも重要度の低いイベントにしか姿を見せなくなっている。

4中全会まで残りわずか11日となったこの時、習近平が脳卒中を発症したとのニュースが流れたが、この展開は多くの専門家や評論家があらかじめ予想していたこともあり、世間の驚きは少なかった。

情報の真偽は定かではないものの、重要なのは中国共産党内部における最高権力の再編がもはや不可逆の状況に達したという事実である。

10月20〜23日に開催される4中全会は、中国共産党の権力構造が根本的に刷新される歴史的な分岐点となる見通しだ。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。