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暗殺直前の来日講演 チャーリー・カーク氏が日本に遺した「最後の警告」

2025/12/03
更新: 2025/12/03

アメリカの保守活動家チャーリー・カーク氏が9月10日に暗殺された。死の直前、同氏は参政党主催の講演会で登壇し、日本への強い期待と深刻な危機感を語っていた。チャーリー・カーク氏のyoutubeチャンネルが講演の内容を公開した。

カーク氏は、人生で初めて訪れたという日本への感嘆から講演を始めた。空港で目にした清潔さ、制服を整えた職員の姿勢、街中の秩序だった雰囲気に驚いたと語り、「これほど誇りと完璧主義が調和した国は世界にほとんど存在しない」と述べた。

しかし、賛辞の直後には一転して厳しい警告が続いた。「皆さんの国は、非常に重大な危険にさらされている。この勢力が定着すれば、日本は20年以内に失われる」という発言は会場に緊張を走らせた。

講演の中心を占めたのはグローバリズムだった。カーク氏によれば、その本質は国家や文化の違いを「多様性」の名の下に解消し、最終的には国境や民族を均質化する政治的な運動にあるという。欧米では移民政策を入り口として文化の連続性が薄れ、都市の姿さえ変わってしまったと指摘している。

「戦争でもあるいは紛争でもなく移民が大量にやってきたことによってなくなった」と述べ、その変化が不可逆であることを強調した。カーク氏は、日本が今まさに同じ圧力に晒されており、欧米より遅れてその波が押し寄せていると断じている。

カーク氏は出生率が長く回復せず、2024年春の時点で日本への移民人口が380万人に達し、2021年からの増加が100万人に及ぶとデータを挙げた。

そのうえで、欧米で見られた社会変質の過程を日本に重ね合わせた。出生率が低い国では「人口減少の危機」が強調され、外国人労働者の受け入れが避けられない選択だとして提案される。カーク氏は「文明を失うのは一世代で十分だ。失われた文化は戻らない」と述べ、文化の連続性を奪い、政治の重心を変えていくと警鐘を鳴らした。

講演でカーク氏が最も情熱を込めたのは、日本の若者への期待だった。政治や国の未来に関心を持たない若者が増える背景には、生きる意味や使命を提示しない大人の責任があると語った。

カーク氏は、若者が国家に愛着を抱き、自らより大きな存在に貢献する「義務」の感覚を取り戻すことが不可欠だとし、日本社会にはその素地があると強調した。バス運転手や警察官の職務に向き合う姿勢を例に挙げ、「目的のために責任を果たす文化が日本には残っている」と述べ「日本にとって最善を知っているのは日本人自身だ」と力強く訴えた。

またカーク氏は、グローバリズムに対抗するには、国家としての理念を守るだけでは不十分だとし、最も重要なのは、家族を支え、子供を増やす社会的基盤を取り戻すことであると主張した。

「可能であれば6人、7人と産んでほしい」という発言は極端にも聞こえるが、文明が存続するための人口規模を維持する重要性を説く文脈にあった。また、言論空間が政治的正しさに支配されれば、国民は異変に声を上げられず、社会の変質が静かに進むと警告した。

そして「抗議者が現れれば、それは運動が正しいという証拠だ」と述べ、自由な討論を恐れない姿勢を求めた。

講演の終盤では、世界の保守運動を横断する危機認識が語られた。アメリカ、ヨーロッパ、日本はいずれも同じ勢力の影響下にあるという認識のもと、カーク氏はナイジェル・ファラージ(イギリスの反移民を掲げる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」の党首)氏らとの協力関係を紹介し、日本が国際的な連携の中で重要な役割を果たし得ると述べた。

講演の終わりには「日本は美しい国であり、それは日本人が美しいからだ。しかし、グローバリズムはその日本を終わらせるかもしれない。アメリカは同盟国として共に戦う」と語った。

その言葉から3日後、カーク氏は暗殺された。カーク氏は日本文化の美徳を守るべき価値として提示し、欧米の惨状を未来の日本として重ね、日本が自らの手で未来を守るよう促していた。

講演中、参政党は英語に訳すと「 Do it yourself 」であると説明を受けたカーク氏は「もし大きな政治的な変革を起こしたいのであればそれに対する第一歩は国民に対して自分たちで何やかやれば本当に変化は起こるんだということを説得するところにあるからだ」と述べている。