中国 業界会議で浮上した「AI俳優」論が波紋

中国ドラマ 脇役はAIに? 広がる置き換え不安

2026/03/21
更新: 2026/03/21

「主役以外はAIに置き換えられる」

この情報がネット上で一気に広まり、現場に不安が広がっている。

発端となったのは、3月13日に広東・深圳で開かれた、中国のドラマ制作関係者が集まる業界会議「中国電視劇製作産業大会」だ。この会議で、「今後はAI俳優が脇役やエキストラを代替する」との見方を示した。

さらに、会議では投資会社トップの王冉が、俳優の出演料についても言及した。
これまでの高額なギャラのあり方を見直すと示し、AIの導入で撮影期間が短くなることで、トップ俳優の「前払いの報酬」も縮小していく方針とした。

背景には、業界の厳しい現状がある。ドラマの制作本数は減り、短い動画ドラマが増加。制作費も削られ、現場の余裕は失われつつある。

こうした中で、主役ではない俳優やエキストラは、AIに置き換えられると指摘。

ただ、この見方には疑問も多い。AIで高い品質を出すには別のコストがかかるほか、「人間の演技はAIでは再現できない」という声も根強い。視聴者からも「全部AIなら見ない」といった反発が出ている。

こうした議論について、中国ドラマ界でヒット作を多く手がけてきた有名プロデューサー・脚本家の于正がコメントした。3月18日、自身のSNSで「AIドラマの開発に関わっている」としつつも、「AIは一時的な流れかもしれない」と慎重な姿勢を示した。その上で、「人間の演技や、人が人に求める感情は、AIでは完全に置き換えられない」と強調した。

AIがどこまで広がるのか。そして人間の役割はどうなるのか。業界は今、大きな転換点に立っている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!