米メディアは、中国共産党(中共)が四川省の山間部に新たな核武器の製造施設を秘密裏に建設していることを明らかにした。衛星画像には、新たな交通網や複数の核関連施設を結ぶインフラが確認されており、その規模と戦略的意図に注目が集まっている。
今年4月初旬、イラン情勢が注視される中、米CNNは調査報道として、高精度の衛星画像をもとに分析結果を公表した。調査結果によると、中国四川省の山間部では、過去3年間で複数の村落が取り壊され、その跡地には近代的な施設群と新たな道路網が整備されている。中共が中国西部の旧工場付近に、新たな核兵器製造施設を建設している可能性があるとしている。
報道によると、「906基地」内には、テニスコート約13面分の広さに相当する巨大な鉄筋コンクリート製のドーム状建造物が確認された。施設は三重の警備フェンスに囲まれ、防爆扉や山中のトンネルへと延びる配管網も備えている。核分野の専門家は、ドームの構造や空気循環設備、放射線監視装置の存在などから、その主な用途はウランやプルトニウムなどの高放射性物質の処理であるとみている。
四川省は、山岳地帯で地盤が強固であり、中共が進めてきた「地下長城」と呼ばれる大規模な地下トンネル網の建設に適した地理条件を備えている。豪州在住の法学者・袁紅氷氏は、中共にとって核兵器は軍事戦略の中核であると指摘している。
豪州在住の法学者、袁紅氷氏は「共産主義体制の海外拡張は、『一帯一路』などを通じた政治・経済・文化面での影響力拡大だが、その背後には軍事的な拡張がある。習近平が政権を握って以降、中共はすでに、米国と世界規模で主導権を争う戦略を固めており、必要な場合には米国との全面戦争も想定している」と指摘した。
衛星画像で確認された新たな道路網と複数の核基地を結ぶ施設は、中共の核開発における重要な方向性、すなわち地下での機動運用を示している。袁氏は、これは単なるインフラ整備ではないと指摘している。
袁氏は、「戦略核兵器の発展には二つの柱がある。一つは戦略原潜の能力向上、もう一つは地上配備型の核ミサイルを地下で機動的に運用することだ。地下トンネル網を利用したミサイルの移動は、地上や鉄道による移動に比べて発見されにくく、迎撃も難しくなる」と分析した。
英紙ガーディアンは、米中関係の悪化を背景に、中共が冷戦期の軍需拠点分散政策を再び進め、アメリカの攻撃に対抗し得る防衛体制の構築を図っていると報じている。
また、中共が遠洋展開が可能な海軍力を持ち、山間部や潜水艦にいつでも発射可能な数千発の核兵器まで保有するようになれば、国際政治の力学に大きな変化をもたらす可能性がある。専門家は、これは単なる武器数の競争ではなく、戦後の国際秩序に対する直接的な挑戦だと指摘している。
台湾国家安全研究院戦略資源研究所の蘇紫雲所長は、「北京が目指しているのは、シーパワーと核戦力だ。シーパワーを得て陸から海へと進出することは、世界の国際政治に重大な変動をもたらす。もう一つの核戦力については、現在の核弾頭数は約600だが、アメリカとロシアはいずれも約6千を保有しており、中共は猛追している。このように、中共が遠洋艦隊に加え、さらに多くの核兵器を保有するようになれば、国際政治の力関係に大きな変化をもたらすことになる」と考えている。
袁氏は、習近平が最高権力を掌握して以降、共産体制の対外拡張を基本方針としてきたとし、その軍事的基盤の中核が核戦力であると指摘している。「台湾併合は最も重要な戦略目標だが、現在の中共は内部の政治的な混乱に直面している。軍の指導体制も大きく損なわれており、2026年中に台湾海峡で軍事行動に踏み切る能力はない」と述べた。
袁氏によると、北京の官界では現在、中共の軍需分野の科学者や上級研究者らが虚偽の研究成果を示して研究費を不正に獲得しているとの見方が広がっている。いわゆる最新兵器の多くは、実戦能力を欠いているという。
そのうえで、「米軍が今年実施したベネズエラとイランに対する軍事作戦、さらにこれまで中共がロシアに供与した一部兵器の実績を見れば、中共製の兵器が西側の装備に対して脆弱であることは明らかだ」と語った。
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