中国 本紙独自取材

借金返せず日雇い生活 中国で急増する負債者の現実

2026/07/06
更新: 2026/07/06

中国経済の低迷が続く中、借金を抱える人が急増している。

2025年、中国の裁判所が管理する「信用ブラックリスト」の登録者は約850万人となり、5年前より約5割増えた。

「信用ブラックリスト」に登録されると、飛行機や高速鉄道などの交通機関の利用や高額な消費が制限されるほか、ホテルや娯楽施設の利用、子供の教育、保険や資産運用にも影響が及ぶ。

さらに、銀行融資やクレジットカードの利用が難しくなり、一部のネット通販サービスも利用できなくなる場合がある。企業の代表者や役員に就くこともできず、海外への渡航を制限するケースもある。

本紙は実際に借金を抱える人たちを独自取材し、その厳しい現実を追った。

約590万元(約1億4千万円)の借金を背負った男性は、経営していたバーがコロナ禍などの影響で倒産。現在は浙江省・義烏市で日雇いの仕事をしながら暮らしている。

「今は借金を返すためではなく、生活していくために働いている。それでも、いつか事業を立て直し、借金を返したい」

男性の月収は2~3千元(約6万円前後)。返済どころか、生活費を確保するだけで精いっぱいだという。

別の元経営者は約300万元(約7100万円)の借金を抱え、借金の取り立てで先祖代々の墓を掘り返される嫌がらせを受けた。「命を取るなら取ってくれと思った」と当時を振り返る。

一方で、人脈を利用して家族名義で資産を持ち、生活への制限を回避している人もいた。

「銀行の借金は返していないが、生活は以前と変わらない」と話す負債者もおり、同じ借金を抱えていても置かれた状況は大きく異なる実態も浮かび上がった。

専門家は、人脈のある人ほど制度の抜け道を利用しやすく、一般の負債者ほど厳しい制限を受けやすいと指摘する。

景気低迷が長引く中国では、借金を抱える人の増加だけでなく、負債者が再び立ち上がることの難しさも、大きな社会問題となっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!