防衛省統合幕僚監部は7月16日、中国共産党(中共)海軍とロシア海軍の艦艇計4隻が沖縄本島と宮古島の間の海域(宮古海峡)を南下し、太平洋へ向けて航行したと発表した。中露の艦艇が編隊を組むように同じ海域を同時に通過するのは異例の動きだ。
海上自衛隊は同日午前2時頃、久米島(沖縄県)の南西約90キロの海域で、南進する4隻を確認した。内訳は、中共海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号103)、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(同124)、フチ級補給艦(同903)の3隻と、ロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(同343)の1隻。
レンハイ級(中国名・055型)は、中共海軍が「1万トン級大型駆逐艦」と誇る最新鋭艦で、豊富なミサイル垂直発射装置を備え、空母打撃群の中核を担うとされる。補給艦を伴っていることから、長期間の遠洋行動を想定した編成とみられる。
5月から南西諸島に「居座る」ロシア艦
注目するのは、ロシア艦343の足取りだ。統合幕僚監部によると、同艦は5月9~10日にかけて対馬海峡を南西に抜け、12~13日には与那国島と西表島の間を通過して南下。6月27日には同じ与那国・西表間を今度は北東へ航行しており、2か月以上にわたり南西諸島周辺の海域を行き来している。5月の南下時には、別のフリゲートや補給艦、航洋えい船、貨物船6隻を伴う大規模な船団を組んでいた。
そのロシア艦が今回、中共艦隊と行動を共にして宮古海峡を抜けたことになる。
防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第5哨戒防備隊所属の掃海艇「ゆうべつ」(大湊)と、第5航空群所属のP-3C哨戒機(那覇)により、警戒監視と情報収集を行った。
中露両海軍は近年、日本周辺での合同パトロールや共同航行を常態化させており、今回の動きもその一環である可能性がある。宮古海峡は中国海軍が太平洋へ進出する際の主要ルートで、台湾有事の際にも戦略的要衝となる海域だ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。