タイムズカー情報流出で集団提訴へ 牧野弁護士が会見、年内目指す

2026/10/26
更新: 2026/10/26

カーシェア「タイムズカー」の会員情報流出を巡り、牧野裕貴弁護士は26日に会見し、運営会社の親会社パーク24などに損害賠償を求める訴えを起こす方針を明らかにした。個人情報を適切に管理する義務を怠ったと主張している。TBSテレビ(JNN)によると、集団訴訟を準備するウェブサイトには26日時点で10万人以上が登録しており、年内の提訴を目指すという。

パーク24は、外部送信の痕跡が確認された本人確認書類の画像データの対象者に、3000円相当の現金または金券を「お見舞い」として渡すとしている。TBSテレビ(JNN)によると、牧野弁護士は金額について「非常に低すぎる。これでは全然足りないのではないかというような印象を受けた」と述べた。

本人確認書類の画像約146万件に外部送信の痕跡

タイムズカーを運営するタイムズモビリティは9月28日、Webシステムへの不正アクセスにより、退会者を含む約660万件の会員情報が第三者に取得されたと公表した。パーク24は10月23日、運転免許証などの本人確認書類の画像データ約146万件に外部送信の痕跡があったと発表。原因はWebシステムの脆弱性の悪用と判断した。

退会者の情報を7年間保管していた理由について、パーク24グループ広報は取材に対し、氏名・住所・生年月日は法人税法に基づくもので、それ以外はなりすまし対策や問い合わせ対応のためだったと説明した。同社は保有する本人確認書類の画像を10月末までに削除し、具体的な情報セキュリティー強化策を年内をめどに公表する方針だ。

郵便局アプリと問い合わせ管理システムでも公表

国内では、別のサービスでも不正アクセスが公表されている。日本郵政と日本郵便は9月29日、郵便局アプリへの不正アクセスにより、19人分69件の情報が取得されたと発表した。送り状の追跡番号や品名、配達予定も含まれる。日本郵政は取材に対し、9月23日22時56分ごろから発生した不正アクセスを検知し、対象者には書面を郵送して通知したと回答。侵入経路と偽の通知の見分け方は、公表を控えるとしている。

問い合わせ管理システム「i-ask」を提供するスカラコミュニケーションズは10月6日、管理サイトへの不正ログインにより、同じサーバー上の最大5社で、延べ最大71万3126件の問い合わせ情報が漏えいした可能性があると公表した。

利用企業の大和証券は、約11万人の氏名や口座番号などが漏えいした可能性を公表し、これらの情報で口座へのアクセスや取引はできないと説明した。東武鉄道は、自社に関する情報の閲覧・取得の形跡は確認されていないとしたうえで、利用者に注意を呼びかけた。スカラコミュニケーションズは、調査中であることなどを理由に個別の取材対応を控えた。

JPCERTコーディネーションセンターは10月8日、9月前後から国内組織で個人情報漏えい被害が相次いでいるとして注意喚起を出し、23日にはAIを用いた攻撃基盤を悪用した攻撃の試みについて追記した。

信用情報機関の手続きと相談窓口

免許証画像の悪用に備える手段として、信用情報機関への「本人申告」がある。シー・アイ・シー(CIC)は取材に対し、申し込みが9月29日ごろから増え、手続きに必要な受付番号を取得する電話がつながりにくくなったため、10月9日に回線を増強したと回答した。

CICの本人申告は、紛失や盗難などの情報を登録する制度で、手数料はインターネット、郵送とも1千円となっている。加盟企業は審査時に申告内容を確認できるが、与信判断は各社が行い、CICは効力を保証していない。日本信用情報機構(JICC)は10月1日にスマートフォンアプリでの受け付けを一時休止し、22日にはPHPの脆弱性情報を受けた予防措置としてアプリなどでの受け付けを停止した。手書きの申込書による郵送は受け付けており、再開時期は未定としている。

情報処理推進機構(IPA)は取材に対し、委託先が侵入された場合、一般的には利用者は利用サービスからの連絡やウェブサイトでの公表で知ることになるとの見方を示した。そのうえで、漏えい元をかたる偽のメールやSMSへの注意と、サービスに登録する個人情報を必要最小限にすることを挙げた。

国民生活センターの担当者は取材に対し、届いたフィッシングメールが漏えいに由来するかは、消費者にも、相談を受けるセンターにも分からないと説明した。漏えいが原因ではないかと不安を訴える相談はあるという。消費者庁によると、消費者ホットライン「188」は、地方公共団体が設置する身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内している。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。