FRB 政策金利を据え置き

2026/10/29
更新: 2026/10/29

クック理事とクリーブランド連銀のハマック総裁の2人は利上げを主張した。

 

米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレへの懸念が続く中、10月の金融政策会合で政策金利を据え置いた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は10月28日、「FRBの2つの使命を支えるため」指標となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現在の3.75~4%に維持することを賛成10、反対2で決めた。据え置きは広く予想されていた。

リサ・クック理事とクリーブランド連銀のベス・ハマック総裁の2人が反対し、0.25ポイントの利上げを主張した。

FRBは会合後の声明で「経済活動は力強いペースで拡大している」とした。

「地政学的な動向などにより不確実性は依然として高いものの、国内支出は底堅さを保っている。生産性は力強く伸び、設備投資も堅調だ。雇用の増加は労働力人口の増加に見合っており、失業率はほとんど変わっていない」と説明した。

クック氏が反対票を投じたのは、バイデン大統領の指名を受けて2022年にFRB入りして以来、初めてとなる。

今夏、前回金利を据え置いた際には、ダラス連銀のローリー・ローガン総裁とミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁も、ハマック氏とともに反対票を投じていた。

中間選挙を数日後に控える中、ウォーシュ議長はFRBの独立性を改めて強調し、当局者は政治を考慮していないと述べた。

「この2日間、上の階で同僚たちと過ごしたが、政治についての発言は一言も聞かなかった。政治や選挙、今後1週間ほどの間に何が起きるかについての言及はなかった」と語った。

市場の反応

米株式市場はこの発表にほとんど反応せず、主要株価指数は小動きにとどまった。

カタリスト・ファンズのシニア・ポートフォリオマネジャー、ラリー・ホルツェンタラー氏は、大紀元に寄せた電子メールで「全く驚きはなかった。FRBは利上げを進めているが、そのペースを落とし、1会合おきに実施しているというのが一般的な見方だ」と述べた。

米国債利回りはまちまちだった。指標となる10年債利回りは5%を上回る水準へ上昇し、30年債利回りも約5.33%に小幅上昇した。

FRBの政策見通しを反映する2年債利回りは、約4.78%に上昇した。

複数の通貨に対するドルの価値を加重平均で示すドル指数は、約102.30で横ばいだった。

オランダの銀行INGのエコノミストらは、12月にFF金利が0.25ポイント引き上げられ、「その後は2027年12月まで長期の据え置きに入る」と予測している。

10月23日の調査リポートでは「FRBの政策金利の予測は、中間選挙後の数か月で、ペルシャ湾からのエネルギー供給を改善し、特に海運費や保険料の大幅な低下を可能にする合意が成立することを前提としている」と説明した。

会合日程の調整

FRBが金利を決定する回数は、来年減ることになる。

ウォーシュ氏は、2027年と2028年の会合日程を調整すると述べた。FOMCは引き続き年8回開催するが、2027年はそのうち1回を主に戦略の検討に充てる。2028年には戦略を検討する会合を2回設ける。

ウォーシュ氏によると、長期的な視点から考えることで、適切な政策判断を行うことが狙いだ。

「適切な政策を実現するには、時機を捉え、定期的に、十分な情報に基づいて、短期的な動向を評価する必要がある」と述べた。

「しかし、知的に多様な集団として、戦略的な議論に時間と余地を確保することも同じように重要だ。大きな課題を改めて考え、より長い時間軸を見据え、私が言うところの『小数点の左側』に焦点を当てることだ」と語った。

各国の金融政策判断

ウォーシュ氏が「足並みをそろえた金融引き締め」と表現した先月の主要中央銀行の動きを経て、各国の金融当局は2027年に向けてもタカ派的な姿勢を維持する可能性がある。

10月28日には、カナダ銀行が政策金利を0.25ポイント引き上げ、2.5%とした。今年初の利上げとなる。

日銀は今週、政策金利を1.25%に据え置くと予想されているが、CNBC(Consumer News and Business Channel)がエコノミストやストラテジストを対象に行った調査では、12月の利上げに向けた地ならしをする可能性が示された。

先物市場も、イングランド銀行が来週の会合で0.25ポイントの利上げに踏み切る可能性を織り込んでいる。

利上げによって戦争に起因する原油価格の急騰を元に戻すことはできないため、こうした金融引き締めが必要かどうかについては、経済の専門家の間で議論がある。一方、利上げはインフレの2次的、3次的な影響が経済全体に波及するのを防ぐことにも役立つ。

カナダ勅許職業会計士協会のチーフエコノミスト、ダビッドアレクサンドル・ブラサール氏は、大紀元への声明で「カナダ銀行は、原油高がより広範な物価上昇圧力につながるのを防ぐことに重点を置いているようだ。原油高が引き起こした2022年のインフレ急騰は、今も鮮明に記憶されている」と述べた。

ウォーシュ氏は、9月の会合以降、金融環境が引き締まる変化をFRBが確認しており、物価安定への道筋をつける助けになり得ると指摘した。

記者団に対し「金融・信用環境に変化が見え始めている。想定していた通り、一部の企業や家計にとって厳しくなっている。市場参加者は資金の配分先を、やや慎重に見極めるようになっている」と述べた。

今回の決定の翌日には、経済の健全性を示す複数の指標が公表される。

10月29日には、9月の個人消費支出(PCE)価格指数、7~9月期の国内総生産(GDP)、週間の新規失業保険申請件数が発表される。

アンドリュー・モランは10年以上にわたり、ビジネス、経済、金融について執筆。「The War on Cash.」の著者。