対立する議会が大統領の政策を阻止し、弾劾を進めるとの見方もある。一方、トランプ氏は超党派で協力する用意があると述べている。
【11月4日 ワシントン】中間選挙で民主党の「青い津波」が起こり、同党が上下両院の過半数を獲得したことを受け、2029年1月の任期終了まで、トランプ大統領がねじれ状態となったワシントンで政権をどう運営するかに関心が移っている。
対立する議会が大統領の政策を阻止し、弾劾を進めるとの見方もあるが、トランプ氏は超党派で協力する用意があると述べている。
今後2年間、このねじれ政府が全面的な政策停滞を招くのか、それともトランプ氏が予想外の政策成果を上げるのかは、依然として不透明だ。
カリフォルニア州オレンジにあるチャップマン大学で大統領研究を専門とするルーク・ニクター教授は、民主党が本当にトランプ氏と協力するつもりなのか疑問を呈している。
「問題は、民主党が妥協を望んでいるのか、それとも報復を望んでいるのかということだ。1月になれば、下院でほぼ直ちに調査が始まることは、誰もが分かっていると思う」と大紀元に語った。
1月から、上下両院の民主党は、トランプ氏と政権をさまざまな問題について調査する際、召喚状を発付する権限を持つことになる。
民主党は既に、ホワイトハウスのスタッフ、トランプ一族、ワシントンでの改修事業に対する調査を開始している。同党は、政権への監視を積極的に拡大する方針を示している。
選挙当日の夜、民主党が下院の過半数を確保すると、来年、下院監視委員長に就任すると見込まれるロバート・ガルシア下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、ホワイトハウスに警告した。
「弁護士を雇え」と、Xに全て大文字で投稿した。
しかし、トランプ氏は民主党との協力や、「国にとって適切で有益な」政策の成立に楽観的な姿勢を示した。
選挙当日の夜には、既に民主党指導部と話をしたと述べた。
民主党は上下両院を掌握することで、トランプ氏の政策を阻止する大きな力を得る。ただ、大統領の拒否権をどこまで乗り越えられるかは不明である。
トランプ氏は選挙前、民主党が議会を掌握した場合にどう対応するかと問われ、「全てに拒否権を行使する」と答えた。「ミスター拒否権」になる用意があると述べた。
共和党の戦略家フォード・オコネル氏は大紀元に対し、民主党が立法によって関税などトランプ氏の一部の政策を変更するのは難しいと語った。大統領の拒否権を覆すには、上下両院それぞれで3分の2の賛成票が必要になる。
「行き詰まりを感じれば、結局は調査や訴追、司法を使った政治闘争に向かうだろう」とオコネル氏は述べた。
民主党がトランプ氏や政権幹部に対する強硬な弾劾の動きに出れば、共和党には2028年の大統領選で勝利する機会が生まれるとした。
民主党、圧力強化へ
上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務(ニューヨーク州選出)と議会民主党は、新たな権限を活用し、イランとの紛争を直ちに終結させるよう、トランプ氏への圧力を強める構えである。消費者の物価負担を軽減するため、関税政策の撤回を引き続き迫ることもできる。
多数党院内総務への就任が見込まれるシューマー氏は11月4日、トランプ氏と協力できるかと記者団に問われた。
民主党は「大統領と協力してでも、大統領抜きでも」生活費の引き下げに取り組むと答えた。
トランプ氏は選挙前、必要であれば、テスラとスペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)や、自身の下で働いた全ての人を守るため、予防的な恩赦を与える可能性があると述べていた。
「こうした人々を守らなければならない」と、ニューヨーク・ポストのミランダ・デバイン氏が司会を務めるポッドキャスト番組『Pod Force One』で語った。
「迷うことすらない。実行する。1月6日の件でもそうした」と述べ、2021年1月6日の連邦議会議事堂への侵入事件をめぐり、バイデン政権下で訴追された約1500人に恩赦を与えたことに言及した。
マスク氏は先週、民主党が上下両院で勝利し、2028年の大統領選も制すれば、米国の「民主主義の終わり」を意味すると警告した。
トランプ氏は今後2年間、共和党内からも難題を突き付けられる見通しである。J・D・ヴァンス副大統領は既に選挙結果について発言し、共和党の敗北はイラン戦争が原因だと述べた。
ヴァンス氏は11月4日、Xで、共和党の今後の方向性について率直に議論するには、まずこの問題に向き合わなければならないとも述べた。
ニクター氏は、今後数か月の間に一部の共和党議員がトランプ氏と距離を置くようになると予測した。
2028年に向けて準備する共和党議員が、伝統的な保守主義と小さな政府への回帰を選ぶ一方、トランプ氏が民主党と歳出に関する合意を結べば、党内の人々は異なる方向に進むことになると指摘した。
「必ずしも公然とした裏切りになるとは限らない。しかし、任期最後の2年間におけるトランプ氏の利益は、2028年の共和党の最有力候補の利益と、必ずしも一致しないと思う」
有権者の間に広がるトランプ政策への反対
トランプ氏は選挙運動を通じ、自分自身が候補者であるかのように考えて投票するよう、有権者に求めた。
出口調査の結果は、トランプ氏が選挙を左右する重要な要因であり続けたことを示している。有権者の43%が、主に大統領への反対を示すために投票したと答えた。この割合は、2018年に同じ回答をした人の割合を上回った。
多くの共和党の戦略家と同様、オコネル氏は、今回の選挙結果が必ずしも民主党やその政策への支持を意味するわけではないと述べた。
「変化の速度に対する怒りの反応であり、有権者はその怒りをぶつけた」と語った。
「私たちは、スワイプやクリックで物事を済ませる世代の時代に生きている。要するに、有権者は生活費や家計の問題について、すぐに満足できる結果を求めている。戦争と関税に不満を持っていたことは明らかだ」
トランプ氏は11月4日、記者団に対し、ヴァンス氏の発言に同意するとしながらも、イランとの紛争を始めたことは後悔していないと述べた。
イラン戦争について、「短期的にガソリン価格を少し押し上げたので、大部分はその通りだ」と語った。
「だが同時に、もう一度やらなければならないとしても、再びやる。長期的に見れば、それが唯一の答えだからだ。イランに核兵器を持たせるわけにはいかない」
トランプ氏は同日、CNBCに対し、「関税を撤廃したいとは思わない」とも述べた。
一方、民主党とは「多くのことについて、人々が理解しているよりもはるかに多くのことについて」協力できると語った。
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