【大紀元日本8月17日】陳水扁・前台湾総統は8月14日に記者会見を開き、自分の知らないときに、呉淑珍夫人が選挙余剰資金の一部約22億円を海外へ送ったことを明らかにした。この発表に台湾各界は騒然となった。陳前総統は15日午後、事務所を通じて夫妻共に民進党を離党することをメディアに声明発表し、海外への送金事件について、恥を感じ、自らの過ちを責めとがめる一方、民進党中央廉政委員会の調査を受けることを表明した。
陳氏の発表を受け、民進党中央廉政委員会は15日午後4時に臨時中央常務会議を開き、対応策を検討した。民進党の蔡英文党首は同日、党を代表して社会および支持者に謝罪し、今回の案件についてかばうことはせずに、党規に従い手続きを行いできるだけ早く処理をするとの意向を示した。
陳水扁・前総統は民進党を離党する際、民進党の全メンバーおよび支持者に対して謝罪し、「皆さんを失望させ、恥をかかせ、さらに期待を裏切る結果となり、党に対して補うことのできないダメージを与えてしまった」とし、「これは決して自分の本意ではないが、過ちを犯したことには変わりはない。これに対して、深く責任を感じ、自分を責めとがめるしかない」と示した。
陳前総統は、在職期間中に職務を怠り、社会各界から異なる議論や衝突が起きたが、自身は決して財に目をくらむものではないと強調した。また、過ちに対してしっかりと責任を取るとし、今後は民進党の党員ではなくなるが、中央廉政委員会の調査を受け、社会各界の批判および司法における調査と処分を受けると示した。
台湾政界を驚愕させた「ファースト・ファミリー」の資金洗浄疑惑は、スイス連邦検察署が台湾関係部門に通知し、陳前総統における資金洗浄の捜査協力を求めたことから発覚した。実際、陳前総統の長男の妻がスイス銀行に口座を開設し、約33億円の資金を蓄財している。これまでに、顧客データを保護し秘密厳守することで有名になったスイス銀行には、各国汚職政府関係者ないしテロ組織が資金保管の絶好の場所だったが、スイス銀行は名誉回復およびイメージ一新と、犯罪行為を断ち切るために、国際社会と資金洗浄防止規範を結んだ。
台湾政治大学金融学部の殷乃平教授は、台湾はすでに資金洗浄防止の組織に加入し、それに関する法令もできているとし、台湾ドル50万元(約150万円)を超える資金の流通は、必ず資金洗浄防止規制を受けるとし、一部は少量金額の送金で監視制御を逃れようとするが、資金の連続的な、あるいは異常な流通はいかなるものであってもチェックされると示した。これによって、資金洗浄防止規制はすでに世界的範囲で稼動していると示した。
殷教授は、スイス銀行はすでに陳前総統の海外親族名義の口座を凍結し、資金に関して不法であることが確定すれば、台湾政府はスイス銀行に資金返還の要求ができると示した。
台湾最高検察署特別調査チームは14日、陳前総統が総統府機密費横領について追跡調査すると同時に陳氏家族関係者の海外資金が犯罪によって取得したものかについての調査を行うと発表した。
特別調査チームは、口座の資金の流動で犯罪は成立しないが、呉夫人が長男の妻を通じて海外送金したものが、総統府機密費疑惑、株式インサイダー取引疑惑などと関連していれば、陳前総統に対して、総統府機密費横領および汚職容疑に加え、不正蓄財疑惑の犯罪事実についても事情聴取する方針だと示した。
(翻訳/編集・余靜)
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