THE EPOCH TIMES

新土地囲い込み運動が再来 専門家「農民の激しい反発を招きかねない」=中国

2010年11月09日 07時32分
 【大紀元日本11月9日】新築アパートが立ち並ぶ団地のど真ん中に鶏小屋の姿が……。「耕地を増やせば、都市部でそれと同等面積の用地を商業地にすることができる」。この政策の影響で、現在、中国20以上の省と市で農民の住宅地が収用され、村の合併が進められ、おびただしい数の村が消えている。

 土地の売却によって支えられている地方財政。各地政府は新たな土地の確保に必死だが、「新エンクロージャー(土地囲い込み運動)」と称される今の土地収用は、農民からの大略奪となり、農民の激しい反発を招きかねないと専門家は警告する。

 山東省諸城市では、1249の村が208の村に合併され、70万人の農民が代々暮らしてきた土地を離れ、集合住宅に入居させられた。しかし、家畜を飼育するスペースがないので、敷地内で飼育するしかない。このような村の再編は全国20以上の省と市で行われている。

 その背景には、2004年に公布された国務院の通知「改革の深化に関する土地管理の決定」があった。同決定は食料確保のため、耕地18億ムー(約1億2000万ヘクタール)確保の目標を掲げている。そのため、農地から住宅地、工業地、商業地への転換面積は厳しく規制されてきた。

 そして、国土部は2008年6月「都市部と農村部の用地の増減をリンクさせる法」を公布し、ある村の住宅地を農地に転用すれば、都市部で同等面積の土地を商業地などに転用できるという政策だ。

 今年8月、海南省で開催された農村の都市化に関するシンポジウムで、中央農村事業指導グループの副長である陳錫文氏は、平和な時期に村の大規模合併を行うのは「古今東西、前例を見ない」と批判し、実質的に、都市部のために農村の土地が略奪されたことから、「効果的に抑制しないと、大変な事件が起こる」と懸念を示した。

 北京紙・新京報7日付の記事で、中国社会科学院農村発展研究所社会問題研究センター于建嵘主任は「この20年来、農民は1億ムー(約1千600万ヘクタール)の土地を収用された。補償金は市場の相場ならば2万億元に達している。そして補償金なるもののかなりの部分は、対象者に渡る前に収奪されていることは言うまでもない。少なくとも5000万~6000万人の農民が完全に土地を失った。その一部は都市部に転居させられたが、半数近くは仕事がなく、生活保障もなく、社会不安の火種になっている」とコメントした。

 この政策は、毛沢東時代の愚かな製鉄振興を思い起こさせる。当時、多くの森林資源が失われ、農村で飢饉が起こり、大躍進で3000万餓死者を生み出すことになった。

(高遠)


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