日本は共産主義国になってはいけない=櫻田義孝衆議院議員

2022/04/20
更新: 2022/04/20

「日本は絶対に共産主義の国になってはいけない」。長らく人権問題に取り組む櫻田義孝衆議院議員は18日、大紀元の取材で語った。中国の上海などでは「人権を無視するような政策」が行われていると指摘し、日本は自由や人権、法の支配といった基本的価値観を重んじる国々と連携していく必要があると語った。また、「日本の国土以外に大事なところがあるならば、やはり台湾だろう」と述べ、共産主義中国の一部になってしまうことは避けなければならないと強調した。

ーー昨年より日本でも人権問題に多くの関心が寄せられた。どのように感じられたか。

人権に関する問題は世界的なものであり、人権を大事にすることは当然のことだ。ところが、民主的な国と独裁国家を比べると、世界的には非民主主義国の方が多い。民主主義国家が少しでも多くなるように努力しなければならない。

日本を取り巻く国、特に中国では人権が必ずしも守られていない。臓器を生きた人間から摘出して移植することがありうると報告されているが、絶対にあってはならないことだ。

ーー中国では都市封鎖が行われており、数億人が影響を受けている。

上海など、中国南部は特に人権を無視するような政策が行われている。残念だと思う。チベットやウイグルの問題で、日本に渡航したものの中国に帰国した際に逮捕される事例や、身内が極めて危険な状態に追い込まれる事例なども起きている。

大紀元の取材を受ける櫻田義孝衆議院議員(清雲/大紀元)

ーー国際的な視点から、人権問題をどのように捉えることができるのか。

日本の問題だけではなく、世界的な問題として世界の人々が関心を持って取り組むべきだ。現実的には中国のような人権を無視する政策などは、外国人が止めることは容易ではない。情報が自由に浸透していればいいのだが、情報が管理された社会では難しいので、少しでも中国の方に日本のような自由主義の国に来てもらって、自由主義国の良さを理解してもらいたい。少しずつ一歩ずつそれを進めていきたい。

ーーウクライナ情勢もそうだが、情報が統制され出てこないことがある。

ロシアでは完全な情報管理がされている。民主主義国家と違って、本人のみならず家族も罪を負うことになる。民主主義から逸脱している。そのようなことが罷(まか)り通るような社会は少しでも直していかないといけない。

ーー昨年7月、中国に家族がいる女性の法輪功学習者と面会しているが、どのように感じたか。

日本に来ている方で、中国に家族がいる。日本で本当のことを言うこと、中国に残っている人たちが迫害される。きちんとした対応をしていかないといけない。国際社会の世論喚起は不可欠だ。日本国内でもちろん活動するが、世界の中で中国は孤立している、世界の民主主義国の人の価値観に沿うように学んだほうがいいという声をやめることなく言い続けることが大事だと思う。

ーー国際連合は普遍的価値の原則を順守するよう呼びかけている。

今は国際連合があっても、ウクライナ問題一つ見ても、必ずしも十分と言えないどころか無力化に近い。日本は平和憲法の綺麗事で済まさず、現実を直視する必要があると思う。民主主義を守るコストを日本人は払う必要がある。コストを払わず、覚悟はできないで、希望だけ言っても物事は前進しないと思う。

ーー先日、米空母が日本海で自衛隊と演習したが、ロシアの潜水艦がミサイルを発射した。今後どのように対処すべきか。

日本の近海で日本と米国の合同軍事演習は絶対実施するべきだと思う。北朝鮮、ロシア、中国、残念ならが日本を取り巻く国は皆、核を持っている。民主主義国は少ない。韓国、台湾、ベトナム、フィリピンなどを日本がリードして大切にして、アジアの民主化にこれからも力を入れるべきだと思う。

ーー昨今の国際情勢を見ると、独裁国家と普遍的価値間を重んじる国家の間でチーム分けがされるようになった。日本は今後どうすべきか。

日本独自で北朝鮮、ロシア、中国の相手にすると力不足だ。やはり日米同盟を強固にして、今まで以上に日米同盟が大事だと考える。民主主義を守る最強の国がアメリカであり、日米同盟を基軸にしたアジア外交を重要視しなければならない。

ーー米国の2021年度の世界人権報告書には、ウイグルやチベット、法輪功学習者が弾圧されている内容があった。1999年から始まった法輪功弾圧についてどう考えるか。

人権は世界レベルでやっていかないといけない。アジアで、アメリカと日本が力を合わせながらアジアの民主主義を守り、発展させていく努力を今まで以上にすべきだ。

ーー昨年、各国でマグニツキー法の議論が進められた。

継続して、日本の考え方を世界に発信していくべき、途中で有耶無耶にすることがないようにすべきだ。人権は永遠のテーマ。途中で挫折することがあってはいけない。

人権決議案についても、議員の中では、自民党を中心に盛り上がっている。色々な面で人権を大事にすべきだ。

ーー中国が国際連合の常任理事国となっている。

中国とロシアはいずれも世界の大国であり、核を持っている。日本よりも強大な軍事力を持っている。そして民主主義が国民レベルで育っていない。あくまでも言論が国家、時の政権に委ねられている。とても危険だ。ロシア国内にも批判的な声があるため、世界の価値観を通知していきたい。中国はロシア以上に言論統制が進んでいるため、もっと難しいかもしれない。新聞も国家が製造して配布している。

大紀元の取材を受ける櫻田義孝衆議院議員(清雲/大紀元)

ーー日中間では貿易関係が盛んだ。

貿易の取引関係もあるため、相互の利益になることは継続しつつ、商売以外の民主的価値観をこれからも強めていきたい。

ーー安倍元首相は昨年、台湾有事は日本有事だと述べた。中国軍機は台湾周辺を盛んに飛行している。

台湾有事は日本有事だと安倍元総理もおっしゃる通り、台湾有事は日本の安全保障に直結する。台湾がもし共産主義中国の一部分になると、世界の平和にとってよくないと思う。

台湾が共産中国の一部になってしまうことは、日本にとってはあまりいいことではない。台湾との友好も非常にこうに大事だと思う。日本の国土以外に大事な地域があれば、やはり台湾だ。東南アジアからインド洋を渡って中東まで、石油のシーレーンの確保するには台湾は不可欠な存在だ。

ーー共産主義についてどう考えるか。

共産主義は日本の国民の価値観、歴史、存在を考えると、共産主義は日本には馴染まない。絶対に共産主義の国になってはいけない。自由主義を重んじる日米同盟を基本にして、アジア外交をしっかりやっていくべきだ。アジア外交、世界外交、日米同盟を中心とした民主主義の価値観で進めていくべき。

ーー日本の進むべき道について。

国家の基本的な法律である憲法について。素晴らしい憲法ではあるが、戦争に負けた時はあれでよかった。しかしすでに独立して70年立つから、当時と比べて日本の国内事情、国際事情が一変している。世界でこれだけ憲法を改正していない国は日本だけだろう。今の国際情勢、国内事情に合ったような憲法に改正することは、政治的課題の最優先するものだと思う。

ーー中国国内で迫害されている人々へのメッセージ。

政治に携わる者として、世界的に人権について迫害されている者がいるとしたら、我々は弱いもの、正しい人たちに手を差し伸べる必要がある。人権を大切にし、民主主義を大切にし、そのような人々と手を携えて民主主義を大切にして邁進していきたい。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。