国内の洪水災害より、モロッコ地震の報道に「ご執心」な中国メディア

2023/09/13
更新: 2023/09/13

最近、中国を次々に襲った台風の影響は最南部の広西チワン族自治区にまで及んでおり、各地で深刻な洪水や土砂崩れを引き起こした。

同自治区の玉林市博白県などでは「20年に1度」といわれる大規模な洪水に見舞われた。玉林市の気象台は11日、集中豪雨について最も深刻なレベルの「赤色警報」を発令。これまでわかっているだけで少なくとも7人が死亡したとされるが、多くの人が行方不明となっていることから、犠牲者が今後どこまで増えるか不明である。

10日から11日にかけて、中国版ティックトック「抖音(ドウイン)」へは、被災民による「玉林市の博白県では、2階まで浸水した。しかし、救助隊の姿は一向に見られない」など救助要請の投稿が相次いだ。

(広西省玉林市の洪水状況。SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

だが、中国の各メディアは、こうした国内の洪水災害をほとんど伝えていなかった。中国メディアが繰り返し報道するほど「ご執心」だったのは、8日夜に北アフリカのモロッコで起きた地震のニュースだった。

こうした中国メディアのあまりの不作為に、国民は再び怒りを覚えている。「驚いたことに、中国国内の洪水災害を知ったのは、外国の地震報道へのコメント欄だった」と指摘する声も多い。

実際、玉林市で猛威を振るった洪水関連の災害については、11日時点まで、中国のネットやメディアでは一切情報が伝えられなかった。

11日になってようやく、国営新華社通信は「(玉林市)博白県などで土砂崩れが多発して死者7人、行方不明者3人が出ている」と、玉林の洪水関連のニュースを簡潔に報じた。

「はるか遠く離れた国の地震ばかり報じているが、自国民の家が洪水で流され、住民が救助を待っていることに気づかなかったのか?」

そういった批判が殺到しており、中国当局の情報封鎖偏向報道に対して、国民の怒りが再び高まっている。

(広西省玉林市の洪水状況。ネット投稿動画)

(広西省玉林市の洪水状況。ネット投稿動画)
 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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