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ハーバード大卒業式 中共官僚の娘が登壇し大規模な宣伝演説を展開

2025/06/04
更新: 2025/06/04

5月30日、ハーバード大学の卒業式で、中国人大学院生の蔣雨融(ジャン・ユーロン)が招待スピーカーとして登壇し、スピーチを行った。彼女の発言は多くのネットユーザーから、中国共産党(中共)による対外プロパガンダの一環ではないかとの疑念を呼び起こした。特に注目すべきは、トランプ政権がハーバード大学と中共との癒着を厳しく非難している中、大学があえて中共のイデオロギーを発信する場を提供した点だ。

蔣雨融はスピーチで「現代社会は異なる思想、投票選択、信仰の違いを悪と見なす傾向がある」と主張し、蔣が学んだ国際開発コースの理念は「人類運命共同体」に基づくと述べた。この発言は各界から疑念を呼び起こした。

『靖遠開講』の司会者、唐靖遠氏は次のように指摘している。「蔣雨融は女性の権利に関心を示したが、鉄鎖女事件や中共による女性抑圧といった深刻な問題には一切触れなかった。中共による人権弾圧の事例は数多く存在するが、蔣はそれについても沈黙を守った。さらに問題なのは、彼女の発言が習近平の『人類運命共同体』というスローガンを直接支持し、擁護している点だ」

中共が2013年に提唱した「人類運命共同体」という概念は、国内外の宣伝における主要なフレーズであり、外交政策の中心的な用語でもある。

華人作家であり民主中国戦線の副主席である盛雪氏は「この表現は中共のイデオロギーと統治戦略を象徴しており、単なる美辞麗句ではない。自由民主体制と中共体制の本質的対立を曖昧にする危険な言葉だ」と指摘した。

中国本土の公開情報によれば、蔣雨融の父は「中国生物多様性保護とグリーン発展基金会」の特別基金執行主任を務めている。この基金会は中共国務院の認可を受けて設立され、中共科学技術協会が主管している。蔣雨融は、同基金会の副理事長兼秘書長である周晋峰の推薦により、ハーバード大学への進学を果たした。周晋峰は中共の公的学術機関との深い関係を持っている。

報道によると、ハーバード大学ケネディスクールは数十年にわたり中共の中高級官僚を多数育成し、中共高官の子女も学位を取得してきた。そのため、外部からは「中共の海外党校」とも称されている。

唐靖遠氏は次のように述べた。
「彼らの背後には、納税者の資金を用いて形成された中共の政学ネットワークが存在する。これは単なる政商関係ではなく、後継者たちに学術的な箔を与えつつ、ハーバードの公共政策分野に浸透する手段として機能し、結果としてアメリカ政治への影響力を強めている」

蔣雨融は今年の卒業式でスピーチを行った3人の一人だ。トランプ政権は、ハーバード大学と中共の関係について繰り返し警鐘を鳴らし、同大学が中共の対米浸透工作の一環であると指摘している。現在、ハーバード大学はアメリカ政府の調査対象となっており、大学が中共高官の娘にスピーチをさせた意図が議論を呼んだ。

盛雪氏は「この出来事は、トランプ氏が推進する中共とのデカップリングに対する強い抵抗の表れだ」と述べた。