中国・遼寧省の瀋陽師範大学で8月末、学生や保護者が相次いで嘔吐や下痢を訴える集団食中毒が発生した。外部業者が供給する水が原因とされ、食堂を利用した多くの人が発熱や下痢で病院に殺到。大学周辺の診療所は学生など大学関係者の患者であふれた。
この非常事態にもかかわらず、学校側は安全に関する告知や救済措置を一切取らず、逆に「パレード鑑賞」への動員通知を出すなど、冷淡な姿勢を見せた。事件直後には公式投稿のコメント欄を即座に閉鎖し、学生の声を封じ込めたのである。さらに、被害をSNSで告発した学生には公安から「投稿を削除せよ」との脅迫が届き、徹底した隠蔽工作が進められていることも明らかになった。
学校の無策と冷血ぶりに加え、体制そのものが被害を訴える学生の声を抑え込んだ格好だ。学生や保護者の間では、怒りと失望が急速に広がっている。
「学生の健康よりも体制の見栄えが優先されるのか」という声が相次ぐなか、病に苦しむ若者を顧みず、食の安全をなおざりにして国家の威信を飾るために学生を動員する大学の姿は、学び舎ではなく政権の宣伝装置に成り果てている。
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