米国務長官「国民苦しめるのは共産党支配」 キューバ独立記念日に演説 華人社会でも共感の声

2026/05/22
更新: 2026/05/22

今月20日、ルビオ米国務長官は、キューバ独立記念日に合わせてスペイン語の動画を公開し、キューバ国民に向けて演説を行った。ルビオ氏は、キューバ共産政権こそが国家衰退と国民苦難の根源であると厳しく批判し、この発言は海外の華人社会でも大きな議論を呼んでいる。

ルビオ氏 キューバ共産党を痛烈批判 中国共産党を連想する声も

5月20日はキューバ独立記念日であり、キューバ系移民の家系に生まれたルビオ氏が、国務長官として初めてキューバ国民に直接語りかけた。ルビオ氏は、キューバ国民が直面する「想像を絶する苦難」の原因は、キューバ共産党による統治にあると指摘した。

さらに、キューバ共産党の特権階級と貧困に苦しむ一般国民の生活を比較し、「革命共産主義」と呼ばれるものは、実態としては盗賊的支配のための欺瞞に過ぎないと非難した。その上で、「いわゆる『政府』の唯一の役割は、国民にさらなる『犠牲』を要求し、不満を口にする者を弾圧することだ」と述べた。

またルビオ氏は、米国はキューバ国民が現在の危機を乗り越えることを支援し、より良い未来の構築に協力する用意があると表明。米国がキューバに対し、およそ1億ドル規模の食糧・医療支援を提供すると発表した。

演説の中でルビオ氏は、30年前にキューバ前指導者ラウル・カストロがキューバの経済に大きな影響を与える軍傘下の複合企業「ガエサ」を設立したことにも言及した。

この企業は軍によって支配・運営されており、その収益は現キューバ政府予算の3倍に達し、同国経済の約70%を掌握していると指摘した。一方で、「国民のための石油購入には資金を使おうとしない」と批判した。

さらにルビオ氏は、「新しいキューバ」のビジョンについても語った。「キューバ共産党だけでなく、国民自身がテレビ局や新聞社を所有できるようになる。体制の欠陥について自由に不満を述べても、投獄や社会生活の破壊を恐れる必要はない。本当に国の指導者を選び、無能であれば投票で退陣させる機会を持つことができる。それは決して遠い夢ではない」と訴えた。

カストロ家の変遷 共産主義革命の縮図

フィデル・カストロ と弟ラウル・カストロを中心とするカストロ家は、1959年のキューバ革命成功以降、長年にわたりキューバの政治・軍事・共産党指導部を支配してきた。

キューバは西半球で最初に中共政権と国交を樹立した国であり、中共にとってラテンアメリカにおける重要拠点でもある。特に現在も影響力を保持しているラウル・カストロ氏は、生涯を通じて中国共産党との関係が深く、中国側から「友誼勲章」を授与されている。

こうした背景から、ルビオ氏によるキューバ共産党批判は、中国共産党を想起させるものとして海外華人ネットユーザーの間で受け止められた。

あるネットユーザーは、「ルビオ氏は共産党の残虐性を理解している。世界で最も残酷かつ邪悪で、何のモラルもない共産党は中国共産党だ」と投稿した。

X(旧Twitter)上では、あるユーザーが「ルビオ氏の演説は非常に強い感染力と衝撃を持っている。キューバ国民に向けた発言ではあるが、その多くは中国人に向けられたもののように感じる。むしろ中国国民こそ耳を傾けるべきだ」と投稿した。

さらに、「中国の一般市民も同じではないか。中南海の権力者一族は、数十年にわたり中国人民から何兆ドルもの富を奪ってきた。その規模はキューバ独裁者を遥かに上回る」と主張した。

また、あるユーザーは「先月、私はキューバのガエサに関する記事を転載した。そして今日、米国はガエサに重大な打撃を与えた。これは中共の『紅二代』『紅三代』に対する厳しい警告でもある」と投稿した。

識者「共産党統治の特徴は特権層による国家資源の独占」

台湾の華人民主書院の理事である曾建元氏は、大紀元の取材に対し、ルビオ氏はキューバ亡命者の子孫であり、共産主義革命がキューバ社会にもたらした状況を深く理解していると指摘した。

曾氏は、「カストロ家は共産主義の名の下に、想像を絶する資産を掌握した。ルビオ氏は、共産主義革命そのものが人々を欺く巨大な嘘であることを痛感している」と述べた。

また、ルビオ氏がこれまで新疆や香港の人権問題を支持したことで中共側から制裁を受けたことにも触れ、「彼が中国問題に強硬な立場を取るのは、中共への個人的憎悪ではなく、キューバ体験の投影だ。一党独裁下で中国人民が置かれている状況をよく理解している」と分析した。

曾氏はさらに、「中共政権成立後、中国人民に対する虐殺の規模は極めて大きく、被害者数もキューバを遥かに上回る。現在存在する共産国家の中でも、中共の残虐性は最も深刻であり、その特権層は最も貪欲だ」と主張した。

その上で、「天安門事件以降、中共は政治では左傾化し、経済では右傾化した。『一部の者が先に豊かになる』という政策の結果、実際には共産党幹部が先に富を独占した。現在では総書記を含む高官たちの一族が、政商関係を利用して国家資源を独占している」と語った。

また、海外人権弁護士連盟の責任者である呉紹平氏は大紀元に対し、「共産党が統治する場所は、ソ連から中共、キューバに至るまで本質的には同じだ。共通する特徴は、国家全体の資源が特権階級の手中に握られていることにある」と指摘した。

さらに呉氏は、「ルビオ氏の発言は、共産党政権の偽善的な仮面を剥ぎ取るものだった。彼はキューバ人民と、その上に寄生する共産党政権を切り離して示したのであり、実質的にはキューバ国民に対し、自らの運命を掌握するため立ち上がるよう呼びかけたのだ」と述べた。

唐兵