中国 完成品より「心を休める時間」

中国の若者に「無心になれる」パッチワークが人気

2026/08/29
更新: 2026/08/29

ビーズを並べて作品を作る「ビーズDIY」など、手作りを楽しむ若者が増えている中国。いま新たに人気を集めているのが、布を縫い合わせて楽しむ「パッチワーク」だ。

お金をあまりかけずに始められ、無心で手を動かすことで気分転換にもなる。仕事や日常のスピードに疲れた都市部の若者たちに、「心を休める趣味」として広がっている。

使うのは、余った布や捨てられるはずだった端切れだ。好きな柄を組み合わせ、バッグや服などを作る。8月に入ってから、通販サイトでは初心者向け材料セットの販売が伸び、月1万個を超える商品も現れた。

北京や上海、杭州、成都などでは、ミシンや材料を借りられる手芸工房も増えている。初心者は糸の通し方から教わり、経験者は好きな布や型を選んで自由に作品を作る。

料金は1時間80~100元(約2000円前後)と決して安くはない。それでも毎週末、3時間以上通うという女性は、「仕事のペースが速いので、縫っている間は頭を空っぽにできる」と話す。

SNSでは「環境にやさしい」「ストレス解消になる」「かわいい」といった声が目立つ。

パッチワークは、中国で古くから受け継がれてきた伝統的な手芸だ。専門家は、昔ながらの手仕事が現代の若者の「心を休めたい」という需要とうまく結びついたとみている。

スマートフォンを置き、目の前の布だけに集中する。速さや効率が求められる毎日のなかで、あえて時間をかけて一針ずつ縫う。

若者が求めているのは、完成したバッグだけではない。何も考えず、ただ手を動かす、そんな静かな時間なのかもしれない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!