張又侠の解任決定 調査発表から半年余り 専門家「習の苦慮の表れ」

2026/08/29
更新: 2026/08/29

中国共産党中央軍事委員会副主席の張又侠と、同委統合参謀部参謀長の劉振立が今月28日、解任された。

28日、中国共産党機関紙「新華社」は、全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議が同日午後、北京で閉幕したと報じた。会議では、張又侠を中央軍事委員会副主席、劉振立を中央軍事委員会委員からそれぞれ解任することを決定した。

張又侠と劉振立をめぐっては、今年1月24日、中国国防省が「重大な規律違反・法律違反の疑い」があるとして、立件して審査・調査すると発表していた。同日夜には、中国軍機関紙「解放軍報」が両者を「軍事委員会主席責任制を著しく踏みにじり、破壊した」などと批判。翌25日にも、「七つの罪」を犯したなどと指弾していた。

今回の解任を受け、今後、張氏にどのような処分が下されるかが焦点となる。

米国在住の時事評論家、唐靖遠氏は28日、大紀元に対し、10月に開かれる予定の中共中央委員会第5回全体会議(5中全会)を前に発表される関連通報が、指導部内の権力関係を読み解く重要な材料になるとの見方を示した。

そのうえで、唐氏は習近平が張又侠について一連の罪名を確定させれば、張又侠を処分することで指導部内の対立を抑え、表面的な「団結」を維持するための政治的取引が成立した可能性があるとの見方を示した。

一方、中国問題専門家の横河氏は、張又侠を巡る処分に半年余りを要したこと自体、習近平が対応に苦慮していることの表れだと指摘している。

一連の粛清によって、中央軍事委員会では異例の人事が続いている。第20回党大会で発足した同委員会は当初7人で構成されていたが、李尚福、何衛東、苗華、張又侠、劉振立が相次いで失脚した。現在、公開の場で職務を続けているのは習近平と張升民だけとなっている。

中国軍に近い消息筋の唐傑鍾さん(仮名)は、大紀元に対し、軍内部では相次ぐ高級将官の粛清により不満や不信感が高まっており、軍の指揮系統も混乱していると述べた。

張又侠は76歳。父親の張宗遜は中共の「開国上将」の一人で、張又侠自身も「紅二代」「軍二代」の双方の背景を持つ。中越国境紛争に参加した実戦経験を持ち、瀋陽軍区司令員などを歴任。2017年に中央軍事委員会副主席に就任し、2022年の第20回党大会でも再任された。

劉振立は62歳近く、旧北京軍区第38集団軍軍長、武装警察部隊参謀長、陸軍参謀長、陸軍司令員などを歴任し、2023年3月に中央軍事委員会統合参謀部参謀長に就任した。

今回の解任は、習近平による軍上層部の統制強化を示す一方、軍内部の権力構造にも大きな変化を及ぼす可能性がある。

新唐人