走行中や衝突後に車が炎上する。事故の説明には疑問が残る。批判的な報道や投稿はネット検閲によって消される。そして今度は、走行中に座席まで勝手に動き出したという。
中国の自動車をめぐり、いったい何が起きているのか。
通信機器大手ファーウェイが技術面で関わる自動車ブランド「問界(AITO)」とみられる車両で、走行中に助手席が勝手に前後へ動く映像がネット上に投稿され、波紋を広げている。
映像では、車が高速走行するなか、助手席が何度も前後に動いている。撮影者は「怖すぎる! 勝手に動いている」と驚きの声を上げた。
投稿者は車種を明かしていないが、車内の操作パネルには「HUAWEI」の文字が見え、ネット上では問界の車ではないかと指摘されている。
本来、乗る人を快適にするための電動シート。しかし、走行中に勝手に動けば、乗員の足を圧迫する恐れがある。「もし運転席で同じことが起きたら、ブレーキを踏めなくなるのでは」と心配する声も出ている。
問界をめぐる問題はこれだけではない。
10月17日には陝西省で問界M9が衝突後に炎上し、運転手が死亡。22日には四川省、24日には湖北省でも問界とされる車両が炎上した。
わずか1週間で3件もの火災が報じられたことに、ネット上でついには「走る火葬場」という痛烈な皮肉まで飛び出した。
陝西省の死亡事故ではメーカー側の説明に疑問が噴出しており、事故を検証した報道記事や映像が削除されるなど、情報公開のあり方にも批判が集まっている。
こうしたなかで新たに浮上した座席の異常。しかし、詳しい原因は今のところ分かっていない。
相次ぐ炎上事故も同様だ。ネットに投稿された現場映像から事故の様子はうかがえるものの、肝心の原因や詳しい経緯は見えてこない。疑問を追及する報道や投稿にはネット検閲が入り、情報が消される。
結局、何が起きたのか、誰の説明が正しいのかも分からない。事故だけが次々と報じられ、真相は置き去りにされたままだ。
ファーウェイといえば、「遥遥領先(他を大きくリードする)」という言葉で知られる。だが、どれほど先進的な技術を搭載していても、安心して乗れなければ意味がない。
そして何より、事故や異常が起きたとき、消費者には何が起きたのかを知る権利があるはずだ。
相次ぐ事故そのものだけでなく、真相が見えないことへの不信感が、中国の消費者の間で広がっている。

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